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宮崎建設通信社
2015/06/26

【宮崎】来月に公募型プロポ告示 県立宮崎病院改築基本設計

 県立宮崎病院(宮崎市北高松町)の再整備に取り組む宮崎県病院局は、敷地内に全面改築で整備する新施設の基本設計業務に今年度着手する。委託業者の選定は、先に病院局が示した基本構想に関する提案や設計者の技術力等についてヒアリングを実施し、総合的に評価する公募型プロポーザル方式で行う方針。来月に委託業者選定に係る公告を行い、10月頃にも委託業者を決定する見通しだ。
 既存施設の老朽化・狭隘化や想定される巨大地震への対応等の観点から、宮崎県病院局は2012年度より県立宮崎病院の再整備に係る検討を実施。外部有識者で構成する委員会や庁内での協議内容を踏まえ、ことし3月に目指すべき診療機能のあり方や整備の方向性を定めた「県立宮崎病院再整備基本構想」を策定した。
 基本構想では、▽耐震・免震性能の強化▽患者・医療スタッフの安全で効率的な動線の確保▽維持管理費等の低減▽整備期間中の療養環境の確保▽継続的な建て替えのしやすさ―などを理由に、現在の敷地内に施設を全面改築で整備する方針を示している。
 新病院の規模は、近年の入院患者数や同規模病院の他事例を参考に、延べ4万5000u(病床規模540床)程度と試算。基幹災害拠点病院として、災害時の医療機能を維持するため、免震構造を採用する。合わせて、構造体耐震安全性の分類はT類、非構造部材はA類、建築設備は甲類を計画の基本とする。
 救命救急センターや手術部門、放射線部門、集中治療部門等の関連部門を集約し、低層部に外来・診療・供給部門、高層部に病棟を配置する。メンテナンスの効率化やスペースの有効活用を図るため、エネルギー関連機器を集約した別棟の建設を検討するほか、既設の精神医療センターは研修施設等としての活用を視野に入れる。
 建設事業費の見込み額は185億円(建設費165億円、設計・監理・解体等20億円)。整備手法に関しては、病院局の意向が反映しやすいことや責任を持って施工確認を行えること、県内建設事業者等の受注機会の確保などの観点から、設計・施工を分離して発注する従来方式を採用する。
 新施設の基本設計に関しては、前述の整備方針に関する提案や設計者の技術力等を総合的に評価する公募型プロポーザル方式で委託業者を選定する。来月に選定手続きの公告を行い、10月頃に業者を決定する見通し。業務の発注にあたり、15年度6月補正予算で基本設計委託費に係る債務負担行為(限度額1億2293万円)を設定する。
 事業スケジュールによると、2015年度〜16年度に基本設計、16年度〜17年度に実施設計を行う。その後、18年度から建設工事に着手し、20年度中に工事を完了させる見通し。20年度〜21年度に移転準備を進め、21年度中の開院を目指す。開院後に既存建物の解体工事や改修工事、外構工事などを実施する。