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建通新聞社(中部)
2015/06/26

【三重】伊賀市の新庁舎整備計画 基本設計中間案を公表

 伊賀市は、「新庁舎」整備計画について、建築工事の基本設計中間案を公表した。5月に示した中間案の概要に対し、市民などからの要望、意見を反映させるとともに、新たなイメージパース、平面・断面図などを追加した。7月24日までパブリックコメントを行うとともに、6月30日から7月11日までに、市内8カ所で市民説明会を行い、中間案の周知を行い、広く意見を求める。中間案を取りまとめ、最終案の作成に取り掛かり、2016年度にかけて実施設計を行う。建設事業は、16年度から造成工事(工期約6カ月)に着手し、引き続き同年度に建築工事(工期約23カ月)に着手する計画だ。
 中間案に示された施設概要は、鉄骨造5階建て延べ約1万4000平方bで免震構造を採用。建築面積は約4200平方b。建物高さは23b(一部24・5b)。建ぺい率27・9%、容積率93・1%。駐車台数487台、駐輪台数70台。
 施設計画のコンセプトに沿った主な特徴を見ると、「使いやすさ」の観点では、エントランスロビーに4層の吹き抜けを設け、明るい空間を形成。「安全・安心」の観点では、免震構造を採用し、官庁施設の総合耐震計画基準による分類で最高ランクの「1類」とする。「歴史性」の観点では、城下町を連想させる黒色を基調とした外壁色を採用。「長寿命化」の観点では、メンテナンスに利用できるひさしを外部に設け、維持管理などを容易にさせるとともに、外壁を雨水から守る。「環境」の観点では、吹き抜け構造を自然換気ルートとして活用、トップライトによる自然光の導入、などを挙げた。
 動線計画のポイントでは、1〜4階の執務室は壁のないオープンフロア、エレベーターは、正面が位置する南側に2台、北側に1台設置する。
 環境配慮のポイントでは、免震層を利用したクールヒートトレンチで冷涼な外気を施設内に取り込む。太陽光発電の設置を想定した屋根構造。高効率熱源の組み合わせによる空調エネルギーの削減。センサー機能を有した照明による電力削減。LED照明の採用。高効率変圧器(油圧式第2次トップランナー変圧器)の採用、などを挙げた。
 施設配置のポイントでは、建物位置を敷地中央に配置し、日影による周辺への影響を抑制。将来予定される伊賀線の新駅からの歩行者動線に配慮し、南側に主玄関を配置、などを挙げた。
 建築の基本設計・実施設計は、日建設計名古屋オフィス(名古屋市中区)が担当。
 建設地は、伊賀市四十九町の県伊賀庁舎の西側隣接地。敷地面積は約1万7104平方b。用途は市街化調整区域。設計業務と並行して開発許可申請など許認可手続きを進めている。

提供:建通新聞社中部支社三重支局