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建通新聞社(神奈川)
2015/06/25

【神奈川】神奈川県 黒岩知事 薄膜太陽電池逆風でも 普及拡大プロジェクトは全力で取り組む

神奈川県の黒岩祐治知事は、認定されながら設置断念などが発生し、再公募を実施している「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」について、22日の県議会で今後の見通しに関する代表質問を受け、「応募があると考えており、全力で取り組む」と答えた。
 県は、薄膜太陽電池普及促進事業費補助金の補助対象となる「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」で昨年選考した6事業者のプロジェクトにおいて、固定価格買取制度の運用見直しや資材価格高騰などにより設備容量を縮小したり、設置を断念するケースが生じたため再公募を実施している。7月30日まで応募を受け付け、9月に選考結果を公表する予定だ。
 黒岩知事は、「資材価格の高騰や固定買取制度の見直しなどにより、認定プロジェクトの設備容量を縮小したり、設置を断念するケースが生じたため再公募することとした」と現状を説明。その上で、「東京電力管内では接続制限しない方向で検討が進んでいると聞いている。再公募に対してはいくつかの問い合わせがある。7月には新しい薄膜太陽電池の販売が開始される見通し」とした。また、「エネルギーの地産地消を住宅、ビル、街全体に広げるためには、窓や壁面に使用できる薄膜太陽電池の普及が不可欠。有用性・可能性を見てもらい普及が拡大することで価格も低下する」と、薄膜太陽電池の必要性を強調。今後も全力で事業を推進することを明言した。
 「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」は、薄くて軽い薄膜太陽電池を普及させ、太陽光発電の導入を加速するのが狙いの事業。
 応募者は、薄膜太陽電池の特性を生かした「新たな用途と設置する施設等」と「太陽光発電システムの価格の低下を図る方法」を提案し、その提案に基づき県内の施設などに実際に設置。その効果をPRする。選考されたプロジェクトには、県が必要な経費(製造費、工事費など)の3分の1を補助する(補助限度額5億8000万円)。
 同事業では、これまで6事業者による42施設のプロジェクトを認定。9億6823万円を補助する予定だった。しかし、事業環境の変化などから、現在は28施設への3億6350万円の補助計画に縮小された状況。実際に設置された薄膜太陽電池は4施設(補助額1億4132万円)にとどまっている。
 議会では、縮小されて未執行の予算を他の事業に回すべきとの意見も述べられた。
提供:建通新聞社