徳島県は、土砂災害危険箇所の基礎調査の実施完了と土砂災害警戒区域の指定など調査結果の周知をさらに加速させる。6月補正予算案に当初予算と同額の6億2700万円の土砂災害危険箇所緊急調査事業費を盛り込んだ。2014年度末現在60%の基礎調査実施率を15年度末には83%まで高める計画だ。
防災意識を高め、土砂災害に強いまちづくりを目指す県は、国の掲げる19年度末までの基礎調査完了を3年前倒しし、16年度末までに100%実施することにしている。県内の土砂災害危険箇所は1万3001カ所あり、14年度末現在、土砂災害警戒区域3251カ所(土石流872カ所、急傾斜2345カ所、地すべり34カ所)、土砂災害特別警戒区域2991カ所(土石流695カ所、急傾斜2296カ所)を指定済み。15年度は、14年度2月補正予算に5億7990万円、15年度当初予算に6億2700万円を確保し、合わせて2800カ所の基礎調査を推進しているが、今回の補正で1500カ所を上乗せして調査を実施する。
基礎調査では、土砂災害危険箇所を傾斜度や地質、土地利用状況などについて区域単位で調べる。土砂災害警戒区域の指定状況は基礎調査の進捗(しんちょく)に影響を受けることになるが、県は基礎調査作業を加速させる一方、区域指定前の調査結果を公表するなど危険箇所の周知啓蒙を急ぐことで、土砂災害による人的被害などを未然に防いでいく考えだ。
提供:建通新聞社