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日刊建設工業新聞
2015/06/17

【鳥取】県技術企画課と工事検査課/仕様書内容以上の書類不要/改善に向けた第一歩 書類簡素化で方針

 工事関係書類の簡素化について、県技術企画課と県工事検査課は県発注の建設工事に「仕様書で示された内容以上の書類作成を求めない」とする基本的な考え方をまとめた。県土土木施工管理技士会などからの意見・要望を踏まえ、基本方針は受注者側の負担を軽減する目的。
 工事書類の簡素化は、これまで受注者側から再三にわたって指摘されており、両課は寄せられた意見をもとに協議を進めていた。
 簡素化の基本的な方針は▽「県土木工事共通仕様書」「県土木工事施工管理基準」に示された内容以上の工事関係書類の作成を求めない▽工事検査で受注者が施工管理上、必要と判断した資料以外の資料の作成を求めない−の2点。
 5月下旬、両課長連名で各発注機関や各業界団体に通知しており、監督員や工事検査専門員にも周知する。
 県技術企画課は「長年の課題で一気に解決することはできないが、受注者の疑心を少しでも取り除いていきたい」と説明。基本方針を改善に向けた第一歩と位置付けている。また、今回の方針には具体的な対応を添えており、今後も要望や疑問があった際、対応方針を積み上げて簡素化を図っていくことにしている。主な対応方針は次の通り。(一部割愛)
▽受注者の意見=工事成績評定運用表の中で「書類が整理されていることが確認できる」と表現されているものが多い。このため資料の見た目に力を入れ、受注者側の負担になっている。「これ以上やっても評価しない」といった上限を示してほしい。
=対応方針=評価の上限を具体的に示すことは困難。工事資料は見た目の美しさではなく、簡潔にポイントを押さえた分かりやすい資料を求めている。見た目の良し悪しで加点、減点することはない。
▽受注者の意見=出来形管理基準は「共通仕様書」「管理基準」の中に自社施工管理基準を設定するよう求める記述はない。一方、工事成績評定運用表には「自社施工管理基準の管理点数8割以上で満足していることが確認できる」とあり、自社施工管理基準を施工計画書に設定してバラツキまで管理するよう要求している。設定は求めないでほしい。
=対応方針=「管理基準」には「受注者は出来形管理基準、品質管理基準により測定した各実測値はすべて規格値を満足しなければならない」と定めており、管理基準以外については、それぞれ社の考え方で管理基準を定め施工管理されているものと考える。工事検査は工事の施工管理資料に基づき取り組みの結果を評価しており、受注者が必要だとして作成したもの以上に補足資料を求めることはない。なお「バラツキの管理まで要求している」とのことについては、出来形及び品質のバラツキを把握することは良好な工事目的物を生産する上で必要と考えており、その結果を評価する。
▽段階確認一覧に掲載されていない工種・項目が多く、どの程度段階確認をすれば分かりづらい。「検査時に指摘されるのでは」との思いから、多くの段階確認を行い負担になっている。
=対応方針=一覧に掲載されていない工種をすべて記載することは困難。未掲載の工種については監督員と協議の上、追記すべき項目を抽出して適正な施工管理を行っていただきたい。