松山市は、道後温泉本館改築時の観光客の受け皿となる「椿の湯」改築をえひめ国体開催(2017年秋)までの完成目指し、早ければ10月に一般競争入札の公告、12月市議会に請負案件を上程・承認、16年1月に着工するため作業を進める。事業費は、6月補正で15年度分3億6800万円と17年度までの債務負担行為額として11億円(限度額)を設定し、12日から開会の6月市議会に上程した。
椿の湯改築は、17年愛媛国体の開催までの約3カ年で隣接地(南西側)の民有地1335平方bを買収し、別館となる新施設を建設。国体終了後の本館改修時の観光客用の施設として整備する。既存の椿の湯は、構造躯体に変更を加えず最低限の外・内部改修を行うが、老朽化している設備などは全面的に更新する。
新築する別館の構造は鉄筋コンクリート造2階一部3階建てとし、建物は木板などの素材を施し木質化を図る。延べ床面積は1500平方b程度(露天風呂部分を含む)。設計は鳳建築設計事務所(松山市)が担当している。
施設内容は、エントランス前に広場的な中庭を整備し、周囲を回廊でめぐる。3階には周辺景色を眺めることができる物見塔を整備。休憩スペースでは、道後温泉本館2階以上の休憩施設と同様な機能を備えた140人程度が休憩可能なスペースを確保。
浴場では露天風呂や本館の又新殿を再現した浴室のほか、歴史的な観点から「女帝の湯(女性専用風呂)」を整備する。
椿の湯の既存施設規模は敷地面積1717平方b(分湯場含む)、鉄筋コンクリート造2階建て延べ1461平方b。1984年建築。利用者は年間約35万人でうち9割を市民が占める。
老朽化が進む道後温泉本館の改修は、国体終了後に取り掛かり6年程度が見込まれている。
提供:建通新聞社