建通新聞社(神奈川)
2015/06/15
【神奈川】神奈川県と流域6市 引地川流域水害対策計画を策定 総合対策で浸水防ぐ
神奈川県と藤沢市、茅ケ崎市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市−は共同で引地川流域水害対策計画を策定した。16日から県のホームページなどで公表する。河川、下水道の管理者、地方公共団体、流域住民などが連携し、総合的な浸水被害対策に取り組むための計画。河川整備計画にも盛り込まれた新たな遊水地の建設計画などの特定都市河川の整備と特定都市下水道の整備を推進するとともに、被害拡大防止のための情報収集・伝達を迅速化する。
現状の課題は、「流域」で、流域からの流出量増加に対応した雨水貯留浸透施設の未整備など。「河川」で、時間雨量50_降雨対応の河川整備を実施中だが護岸の整備率が、蓼川を含めて7割程度と進捗が遅いことなど。「下水道」で、雨水貯留施設や雨水幹線等の整備を実施中で、十分な雨水排除ができない状況にあることなど。
浸水被害対策の基本方針は、@河川と下水道整備の推進A雨水貯留浸透施設整備の推進B保水・遊水機能の保全C雨水浸透阻害行為の規制等による流域流出量の抑制D流域対策の推進E浸水被害拡大防止対策の推進F継続的なモニタリング。
流域水害対策計画の対象区域は、引地川特定都市河川流域全体。計画の対象期間は概ね30年。対応目標となる降雨は時間雨量約60_。都市浸水の発生を防ぐべき降雨は、市によって異なり、時間雨量48〜60_。
特定都市河川の整備は本年1月決定の「引地川水系河川整備計画」に基づく。上流側(蓼川合流点〜福田8号橋間)に新たな遊水地を建設を計画。この他、大庭遊水地排水樋門などの長寿命化を図る。
特定都市下水道の整備は、各市で下水道施設から河川への流出ピーク量(河川に放流可能な流出量)を定め、ピーク量を超える雨水については、「下水道貯留施設」で貯留する。藤沢市では2万3370立方bの下水道貯留施設容量が必要。
この他、特定都市下水道のポンプ施設については基本的な運転操作のルールを定めた。浸水被害が発生した際の被害拡大を防止するための措置としては、@防災情報の事前周知A都市洪水想定区域の指定B都市浸水想定区域図作成C内水被害を考慮したハザードマップ作成D広報・防災教育−を挙げる。
提供:建通新聞社