日刊建設工業新聞
2015/06/15
【鳥取】県土整備部/まさ土点検100カ所7月から調査 広島市の土砂災害受けて9月に追加業務も
広島市の大規模土砂災害を受けた点検調査で、県土整備部は7月から県内にある土砂災害危険カ所のうち100カ所の現地調査に入る。水を含むと崩れやすい風花花崗岩(まさ土)や火山性堆積物が対象。同部治山砂防課は「地質の危険度を判定し、地域防災計画への反映やハード事業の優先度を決める材料にしたい」と話している。
昨年8月、広島市北部で発生した土砂災害では、土石流の中に花崗岩が風化してできるまさ土が含まれていたことが分かっている。まさ土は粒が小さく、降雨で水を含むと崩れやすい性質がある。
このため、同部は昨年「9月補正」で緊急調査費3000万円を計上。県土全体の3割を占める花崗岩系と、同じく1割に分布し、土がもろい性質の大山火山性堆積物を点検することを決めていた。
今年1月、各県土5管内に分けて地質調査業務を発注。このほど全体調査をまとめるウエスコが地質図などの基礎資料を作成したのを受け、現地調査に入ることになった。
調査対象は保全人家5戸以上の未整備カ所(ランクT)1229カ所から、各県土20カ所ずつ計100カ所を抽出した。7月から8月にかけて現地踏査や簡易貫入試験を実施し、9月以降、地質の危険度を解析して評価する。
同部によると評価結果は、事業の優先度を決める際の指標に加えるほか、16年度予算要求に反映させる。
また、同部は15年度の点検調査費4000万円を当初予算に計上。引き続き▽保全人家1−4戸(ランクU)▽人家はないが新しく住宅立地が考えられる(ランクV)−の1347カ所から100カ所程度を抽出して、9月にも調査業務を発注する。その後、年内に現地調査して15年度末までに危険度評価をまとめる。