建通新聞社四国
2015/06/12
【高知】高知県・高知市 長期浸水対策へ堤防耐震や雨水ポンプ場耐震・耐水化など推進
高知県と高知市は6月2日、合同で第9回南海トラフ地震対策連携会議を開き、2015年度に県と市が取り組む内容などについて報告した。このうち止水・排水などの長期浸水対策では、県が河川・海岸堤防の耐震対策や4排水機場での耐震・耐水化を実施することを示し、市は下水道施設の地震・津波対策として、長期浸水区域内の雨水ポンプ場の耐震・耐水化や下水管渠の耐震化に取り組む方針を示した。
県が進める河川堤防の耐震補強については、15年度に事業費17億円を計上し、鏡川、久万川、国分川、舟入川、下田川、介良川の6河川で対策を進める。海岸堤防については15年度に事業費12億円を計上し、若松町での対策を加速化させる。
耐震補強の優先度は、まず江ノ口川と鏡川に挟まれた中心市街地の保全が最優先で16年度までに完了させる方針。続いて江ノ口、下知、高須、潮江地区の保全を22年度まで、長浜、三里、出分、北部の浦戸湾隣接地区全体の保全を27年度までに完了させる方針。
排水機場の耐震・耐水化に向けては、15年度は事業費1億7000万円で江ノ口川の耐水化と本江田川、鹿児川、鹿児第2の耐震化を進める。16年度には15年度に耐震化を完了させた3施設の耐水化に着手する予定。
市管理施設では、長期浸水区域内の雨水ポンプ場の耐震・耐水化や下水管渠の耐震化に2億4000万円を計上。瀬戸水再生センターと潮江水再生センターでは燃料系耐震・耐水化工事に加え、管理棟の耐水化を検討する。下知水再生センターでは管理棟の耐水化を検討する。海老ノ丸ポンプ場では燃料系耐震・耐水化工事と沈砂池防水化工事を進める。一宮雨水ポンプ場、高須雨水ポンプ場、五台山ポンプ場、潮江南ポンプ場の4施設では耐水化を検討する。このほか第一分区合流幹線の耐震工事を追手筋で進める。江ノ口川の河床に埋設されている中部合流幹線では接続部耐震工事に着手する予定。
また農地関連では、高知市東部第1期のうち東孕第一排水機場の老朽化対策に着手、原動機の更新などに着手する。15年度の予算額は6500万円。