建通新聞社
2015/06/11
【大阪】大阪府 津田川南海上流部河道改修へ
大阪府が、津田川の耐震性能確保と流下能力拡大に向けて、南海本線から上流部の河道拡幅と河床掘削を検討していることが分かった。大阪府河川整備審議会では、津田川水系河川整備計画策定に向けた審議が進行中。整備計画決定までには、同審議会から答申を受けた後、河川法に基づく国への同意申請といった手続きがある。耐震性能確保の観点からも最優先で取り組むべき区間とみられ、計画決定後は早期の事業着手が見込まれる。
対象箇所は、河道拡幅が南海本線との交差部から上流側の約100b区間で、河床掘削は同鉄道交差部から上流側の約1300b区間。
氾濫解析によると、現状、時間雨量50_程度で同箇所の流下能力不足などから、人家に影響がある浸水が発生するとしている。また、南海本線上流部の拡幅対象区間は掘込区間のため、現状護岸では地震による津波到来時に既存護岸からの越流が想定されている。河川拡幅した場合の最高津波高は下がるため、越流を防ぐ意味での耐震性能確保の観点から整備を進める考え。
審議会に提出されている資料などによると、河道拡幅区間は、右岸にある府有地のほか貝塚市水道局が保有する用地を取得し拡幅幅を確保、左岸は護岸隣接地に民家があるため、張り出し護岸により護岸整備を進める計画。整備後の川幅は天端間で約25・51b。河床掘削区間は、延長1300bを対象に最大で30a程度の掘削を見込む。拡幅区間は、現状で河川に入る通路がないため、管理用通路の新設を計画しており、同通路を散策路として整備するかどうかは、審議会で審議中。
場所は貝塚市堀2丁目他。
岸和田市と貝塚市域を流れる津田川は、岸和田市を北西方向に流下、府道大阪和泉泉南線を境に貝塚市に入り、津田地先で大阪湾に注ぐ。流域面積は26・3平方`、流路延長15・5`、二級河川指定区間延長は10`。