建通新聞社
2015/06/10
【大阪】大阪国際博誘致 医療・いのち・長寿軸に
大阪府が、国際博覧会を大阪に誘致する場合の課題などを考える検討会の第2回会合が開かれ、国際博のテーマに「医療・ライフサイエンス」、「いのち」、「長寿」などのキーワードが有識者代表の委員から示された。経済界代表の委員からは、「大阪の成長戦略、目指す都市像の中で『万博』の位置付けを明確化すべき」といった意見が出された。府は経済界、学識者などとともに「オール大阪」の検討体制を敷き、最短で2025年の誘致を目指す方針だ。
今回の検討会は、「なぜ万博なのか」「なぜ大阪なのか」について、有識者委員4人がプレゼンテーション。
「(1970年の)大阪万博は地域振興の『引き金』ではなく『追い風』だった。前回開催から半世紀が経過、万博を『式年』化する」(中牧弘允国立民族学博物館名誉教授)。「庶民の文化を確立した大阪で、より人間にフィットし、楽しく互いに連携して暮らせる空間や仕組みを提案できるのは大阪だけ」(田口隆久脳情報通信融合研究センター副研究センター長)。「大阪は『民の都』。日本中から多様な民の声を巻き込み、盛り上げていく」(佐野真由子国際日本文化研究センター准教授)などと説明。
山崎亮studio−L代表取締役(東北芸術工科大学教授)は、「正しいだけでなく、楽しいや美しいといった観点を盛り込むことで住民などの活動を活発化でき、イベント終了後もその活動を持続させることができる」と、近年の国際博で重視される住民参加のポイントを紹介した。
経済界代表からは、「やはり企業は腹の足しが気になるところ」(大阪商工会議所)といった意見のほか、「万博の後が一番の問題。ただ万博がありますだけでなく、その後の効果が重要だ」(関西経済連合会)、「前回はオリンピック、新幹線、大阪万博の流れで、前回万博後の反動を覚えているだけに、今回も同じ(2020年東京オリンピック、リニア、大阪国際博)と思っている経営者は多い」(関西経済同友会)と発言。
次回会合では、引き続き意義・テーマの検討を深めるほか、経済効果などについて話し合う。