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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/06/05

【群馬】情報化施工で講習会 建協高崎支部


電子情報を活用した高効率・高精度な施工方法として注目される「情報化施工」(ICT施工)を現場に取り入れていこうと、群馬県建設業協会高崎支部(関口功支部長)は3日、重機を使った講習会を開いた。
高崎市箕郷町の西毛広幹道建設現場で、ICT対応のバックホウによる法面掘削を実演。今後普及が期待される新技術に多くの関係者が注目した。講習を行ったのは跨道橋下部工の現場で、そこに並ぶ法面をコマツレンタル(本部・神奈川県横浜市)が用意したバックホウで掘削した。
ICT施工では、重機が自動で動いたり、操作をアシストしたりするため、簡単な操作で設計通りの作業ができる。掘削であれば、操作は基本的にバックホウのアームの上げ下げのみ。重機の位置は現場に設置した専用端末やGPSなどで検出し、その情報と事前に読み込んでおいた設計データを基に、重機側が的確な動作を行う。位置情報の誤差は3〜5p程度のため、高精度な施工が可能だ。掘り過ぎを防ぐため、バケットの刃先は設計面に触れると自動的に停止する。また刃先をアシストしてくれるため、熟練の技能者でなくても基本的に一人で作業を行うことができる。丁張りや検測の必要もなく、掘る場所を指示する補助作業員もいらない。
導入による工事費の削減効果については現在、実際の現場でデータを集めているところ。ただ、同社北関東営業部の菊地坂江営業部長は「導入にかかる初期投資を差し引いても、十分利益を出すことができる」と自信を見せる。
これまでの導入事例では、工期を3〜4割ほど短縮し、トータルの工事費が3分の2になったケースもあるという。このシステムを使うことを前提に、測量段階から細かな調査を行えば、土量を98%の精度でつかむことができるため、正確な工事の進捗管理も可能となる。測量は小型無人航空機「ドローン」や現在開発中のステレオカメラなどで行う。今後はバックホウのラインナップも増やす予定で、大型工事から小規模な工事まで幅広い現場で活用できそうだ。関口支部長は、あいさつで「大変関心が高く多くの人に出席してもらった。きょうの機会を有効に使い現場に生かしていきたい」と述べ、興味深く実演を見守った。
県高崎土木事務所の幹部らも現場に駆けつけ、桑原幸治所長は「技術者が不足するなか、こうした技術が必要な時代になってくる」と、関心を示していた。