千葉県道路メンテナンス会議の2015年度第1回目が4日、千葉市のきぼーるで開催された。会議では、昨年4月からのこれまでの取り組みや本年度の取り組みについて説明があった。本年度の取り組みでは、メンテナンスの情報の共有化・見える化、地域一括発注の支援などを進める。
会議では、千葉国道事務所の松浦利之所長が「昨年はメンテナンスサイクルをいかに動かし始めるかに注意が向いたが、今年は2年目で、しっかり回していくことが重要」とあいさつ。
同会議は、昨年度の社会資本整備審議会道路分科会の「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」を受けて、昨年5月から12月までに3回の会議を開催し、メンテナンスサイクルを回すための取り組みについて議論。昨年12月の第3回会議では点検計画を策定し、その後、公表した。
本年度は昨年度の取り組みを受けて、@14年度の点検結果の取りまとめA点検計画に基づいた定期点検の実施状況の確認Bメンテナンスに関す情報の把握・蓄積、情報の共有化・見える化Cメンテナンスに関する研修の実施D老朽化に関する広報の実施――を進めることとした。
跨道橋の点検については、本年3月に緊急輸送道路を跨ぐ施設のうち、鉄道橋を除く、道路法上の道路以外の施設の点検・診断、補修等の状況把握のため、下部組織として「千葉県跨道橋連絡会議」を設置し、本年度も点検を要請。跨線橋については、本年4月にJR東日本千葉支社、東京支社と跨線橋点検に関する包括協議を行い、県内すべての道路管理者の5年間の跨線橋点検計画を含んだ確認文書を締結。昨年度の点検実施状況を精査し、JR東日本各支社などと再度協議を行い、跨線橋点検計画を見直す予定。
また、市町村の人不足・技術力不足を補うために、市町村が実施する点検・診断の発注事務を県が受委託する地域一括発注について県が制度化し、本年度から実施できるようになったため、これを支援する。本年度は今のところ5市町村が実施を予定している。
メンテナンスの見える化では、道路メンテナンス会議での各道路管理者ごとの点検・診断結果を集計し、共有。点検・診断結果をチェックし、必要に応じて対応。そのうえで判定区分割合を最終的に公表する。また、関東地方整備局が昨年度の点検結果などをもとに、国民の理解を得るために「道路メンテナンス年報」の作成を予定している。年報には橋梁の諸元・現状、点検・診断、措置などが盛り込まれる。