習志野市は1日、大久保地区公共施設再生事業手法検討業務のプロポーザル選定結果を公表した。提案があった3者から、第1位契約候補者に特定されたのは日本経済研究所(東京都千代田区大手町2−2−1)。
老朽化した大久保公民館・市民会館、大久保図書館、勤労会館を再生し、隣接する中央公園と一体的に整備するため、これまでの調査や市民との対話等を踏まえ、官民協働で事業を実施するための各種検討及び調査、対象施設の整備を行う事業者募集のための要項(案)の作成等を委託する。
対象施設は、大久保公民館・市民会館、大久保図書館、勤労会館、中央公園及び周辺地域で、これらの施設に集約する予定の屋敷公民館、あづまこども会館、生涯学習地区センターゆうゆう館、藤崎図書館の機能を含む。
業務内容は、@事業手法の検討(敷地・建物等の現状の前提整理、官民の役割・事業範囲・業務分担の検討、事業方式の決定支援、リスク分担の検討、敷地・建物の法制度上の課題抽出等)A既存建物の劣化状況等に係るインフォメーション・パッケージ作成B事業の評価及び事業手法の決定支援(定量的評価、事業手法の総合評価等、事業費の算定)C事業化に向けた検討(施設整備・運営に係る課題の抽出と対応策の検討、詳細な事業スケジュール案の作成)D今後の施設整備・管理運営等を担う民間事業者提案募集に係る調査及び資料案作成(実施方針、募集要項、要求水準書、評価基準等の検討)E庁内調整、市民及び議会説明等に係る資料作成支援F市が行う基本計画作成作業との連携調整G事業手法、長寿命化手法等に関する検討委員会の事務局支援。
このうち既存建物の劣化状況等に係るインフォメーション・パッケージ作成は、躯体活用型建て替え(リノベーション)または新築に関して、今後、施設整備・管理運営等を担う民間事業者を募集するにあたり、民間事業者が事業計画提案を行ううえでの基礎的な情報を整理する。
大久保地区公共施設再生事業は、同市公共施設再生計画の先導的プロジェクトとなる。基本構想では、施設の再生にあたり、大久保公民館・市民会館を公民館棟、大久保図書館を図書館棟と呼び、これら2棟を合わせて「北館」、また、勤労会館を「南館」として、整備の方向性を示している。
北館のうち、既存の大久保公民館の建物は社会教育、生涯学習の場として公民館機能を中心に、また、既存の大久保図書館の建物は、図書館機能を中心に計画。一方、南館はスポーツ機能、子ども活動支援機能、労働支援機能を中心として計画する。
建築手法については、事業費の縮減を図る観点から、建物の躯を残し、内装、設備等の更新や増築を行う躯体活用型建て替え(リノベーション)の導入について検討。これまでの耐震診断の結果から、大久保図書館は耐震補強なしで利用することが可能、勤労会館は旧館2階の桁間方向に補強を入れることで利用が可能だとしてい
る。
一方で、大久保公民館・市民会館は築年数が古く、IS値が0・33と低いため、何らかのかたちで耐震補強の方法を検討する必要があるとしているが、躯体活用型で建て替えるのか、取り壊して新築するのかを判断するには、より詳細な調査が必要だとしている。