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建通新聞社四国
2015/05/29

【高知】高知県 空き家対策で活用促進と老朽除却を推進

 空き家対策の特別措置法が5月26日に全面施行された。全国3位の空き家率を誇り、対策が急がれる高知県では、空き家を改修・活用して地域の活性化や地域コミュニティを維持・再生させる「空き家活用促進事業」と、空き家を除却して防災・防犯性を向上させる「老朽住宅除却事業」の2種類で市町村へに対する支援を行っている。
 空き家活用促進事業は、国が2分の1、県と実施市町村が4分の1ずつを負担。空き家の耐震改修、断熱改修、トイレの水洗化など住宅性能の向上に資するリフォームを実施する市町村に対し、費用の一部を補助する。実施する市町村は、住宅の所有者から10年以上の定期借家契約を結び、公的住宅として空き家をリフォームし、移住希望者や子育て世帯など、入居を希望する者に対して提供する。
 県は、2014年度に同事業を創設、14年度は繰越継続を含め全部で60件近くを支援した。15年度は65件相当の予算を確保している。
 老朽住宅除却事業は、おおむね80万円を限度額として国が5分の2、県と実施市町村が5分の1ずつを負担し、所有者負担は5分の1となる。現在事業を実施している市町村は、高知市、室戸市、安芸市、土佐市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、香南市、香美市、東洋町、奈半利町、田野町、安田町、芸西村、大豊町、土佐町、いの町、中土佐町、佐川町、日高村、大月町、三原村、黒潮町。
 高知県内では、08年から13年の5年間で、約1万戸の空き家が増加した。空き家率は18%、このうち別荘や賃貸用ではない純粋な空き家率は11%で全国トップレベルとなっている。このまま放置すれば廃屋となり、防災面で問題となる。空き家対策を促進することで、地域防災力の向上と高齢者、障害者、子育て世帯などへの住宅確保、移住希望者の受け皿としての住宅を確保し、南海トラフ地震への備え、中山間地域の活性化、居住支援につなげる方針。