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日刊建設タイムズ社
2015/05/27

【千葉】「建設企業の姿勢」明確に/地域住民の信頼が最低条件/(一社)千葉県建設業協会が総会

(一社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長、会員522社)の2015年度定時総会が26日、千葉市内のオークラ千葉ホテルで開かれ、15年度事業計画をはじめ、欠員となっていた山武支部理事の補欠選任など5議案を全会一致で可決。人材確保と労働環境の改善により、若者が将来を託すことができる魅力ある産業づくりに取り組むほか、改めて法令順守の姿勢を示すため、新たな視点を盛り込んだ協会行動規範を策定する。
  
  企業コンプライアンス向上

 国会では、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ新たな安全保障関連法案を提出。議論が本格化する中で、戦後70年という節目の年に発信される首相メッセージや沖縄の米軍基地問題など、国の防衛に係わる問題に国民の関心が集まる一方、4月に入ってから成立した政府の2015年度当初予算では、前年度並みの公共事業予算を確保。本県においても、地方経済の活性化に資する具体策が動き出した状況にある。
 しかし、公共工事の発注が今のところ「一服状態」にあるため深刻な声は聞かれないものの、建設業界では、技能工をはじめとする人材や需要の多い資機材が恒常的に不足する状況に直面。今後の受注、施工に対する不安が払拭されていない。

 安全安心を守る取り組みは国の課題

 議案審議に先立ちあいさつした鈴木会長は「仕事はあっても技術者がいない、受注しても利益が出ない『豊作貧乏の市場環境』を抜本的に改善するために、品確法をはじめとする公共工事の適正化法、建設業法のいわゆる『担い手三法』が成立した」と述べたうえで、これらの運用指針が策定されたことにより「適正金額での発注の徹底など発注者責任が強化される一方、受注者側には社会保険の未加入対策や工事費内訳書の提出などが義務づけられる状況になった」と指摘。
 また、昨年の御嶽山の噴火に続き、今度は箱根山の火山活動の活発化など「火山列島の宿命」とも言える事態をはじめ、地震、台風、ゲリラ豪雨など自然災害の脅威が相次ぎ、国民の安全・安心を守るための取り組みが国の課題として浮上したことに言及した氏は、「こうした自然災害から住民の生命を守るための公共事業は不可欠。その推進役である建設業の役割も大きくなる中で、私ども協会の会員企業がそれぞれの地域で今後も存続し、対応していく必要がある」との認識を示した。
 一方で「この前提には、企業コンプライアンスを向上させ、地域住民から信頼される企業であることが最低条件である」とした氏は「独占禁止法等の関係法令に抵触するような不透明な活動とは一切決別し、『地域に貢献する建設企業の姿勢を明確』にして行動しなければならないと強く意識している」と言明し、あいさつを結んだ。
 
 来賓に橋副知事ら

 また、総会後に開かれた懇親会には、来賓として橋渡・副知事のほか、永田健部長をはじめとする県県土整備部幹部、厚生労働省千葉労働局の小澤真一局長らが駆けつけた。この席で鈴木会長は、来賓を前に「激甚化する一方の自然災害から県民と県土を守る社会資本は、早急に整備していく必要がある。しかし、建設業を取り巻く環境は、事業量が回復傾向にあるものの『技術者や技能工を中心とする人材や資機材不足により施工できない』といった状況が依然として続いている」との現状を訴えるとともに「県内建設業が直面する諸課題についてご理解頂き、これまで以上のご指導ご支援を賜りたい」と要望し、あいさつとした。k_times_comをフォローしましょう
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