建通新聞社
2015/05/22
【大阪】「休日拡大など改善の必要ある」近畿地整
日本建設業連合会(日建連)と国土交通省近畿地方整備局、近畿管内の2府5県4政令市、高速道路会社などによる、公共工事の諸課題の解決に向けた意見交換会が5月20日に大阪市内で開かれた。日建連は「適正な工期設定と円滑な設計変更」として、休日拡大などを要望。森昌文近畿地方整備局長は、「大きく改善する必要がある」との考えを示した。
日建連は、若手技術者の入職促進のための処遇改善について、休日の拡大が大きな課題と強調。6割を超える現場で工期が守られていない現状や、「そもそも守れないような工期が設定されていることがある」とし、「週休2日、4週8休など休日の拡大」「用地取得状況などの情報開示」などにより、ゆとりある環境の構築を急ぐべきとした。
これに対して、小俣篤企画部長は、「生産性と工期は密接なものではあるが現状は連動していない。まずは受発注者の双方が工期設定の概念を共有するところから始めなければならない」と改善に向け前向きな姿勢を見せた。
大原孝明用地部長は、「用地の情報開示については必要があれば対応していく」とし、事前の連絡を求めた。
このほか、新たなテーマとして盛り込まれた建設生産性の向上については、「高密度配筋の解消」「プレキャスト化の推進」「先進技術の積極的導入」を要望。
改正品確法の的確な運用では、技術提案で過度なコスト負担となる「いわゆるオーバースペック」を認めないよう求めた。
小俣企画部長は、「どこからがオーバースペックなのかの線引きは非常に難しいが、技術向上提案付加型などで対応していくことができるかもしれない」と答えた。
日建連の宮本洋一土木本部長は「発注機関ごとに異なる仕様のうち、メーンの部分だけでも統一できればかなりの生産性向上になる」と述べた。
このほか、円滑な設計変更については各発注機関に対応状況の説明を促し、大阪府などが「独自のガイドラインを定め、原則受注者と調整の上、現場の状況に応じて対応している」などと返答した。