建通新聞社四国
2015/05/20
【高知】高知県 足摺海洋館を現地で改築へ 来年1月に基本設計者選定へ
足摺海洋館の今後の在り方についての基本計画をまとめる3回目の検討委員会が5月9日に開かれ、既存位置で改築する方針が決まった。これを受け県では、施設や展示についての計画、設計と全体の工程などを盛り込んだ基本計画案をまとめ、6月24日に開かれる最終の検討委員会に答申する。早ければ12月補正予算で基本設計費を計上し、年明けに設計者を選定する。
建設地については、これまで現在地での改築と地元から要望が出されていた現在地の南東にある観光案内所付近への移転の両面から検討してきた。しかし調査の結果、移転要望地は三崎川の河口付近にあり、周囲の水田からの農業用排水が流れ込むことから、新たに整備する海水取水口に安定した水質を取水することは難しいと判断。建設スペースも限られていることから、県が現在地での改築を提示し、委員も了承した。
想定規模は2階建て延べ3000〜3500平方b。仮に3500平方bとし、国内の同規模水族館5施設の平均部門別面積構成比に基づき割り振った各部門の面積は、公開領域が展示1071平方b、レクチャーホール、学習室などの教育普及189平方b、飲食販売77平方b、エントランス、トイレ、廊下などの共用その他476平方bとなる。非公開領域は、飼育395・5平方b、事務室、会議室、研究室などの管理研究315平方b、設備機械497平方b、共用その他143・5平方bとなる。このほかどちらにも属する展示水槽が336平方b。これらの数字は目安とはいえ、設計を行う際の指標のひとつとなる。
ゾーニング検討案では、地上にデッキを計画し海へのアクセス性を高め、屋上にも展望デッキを設け海への眺望を確保する。
現時点での今後の計画は、6月24日の検討委員会で最終の基本計画案を取りまとめた後、7月にパブリックコメントを募集し県民からも意見を求める。これらを基に9月議会で基本計画書を報告し、12月補正予算で基本設計費を計上、2016年1〜2月に設計者を選定する。選定にあたっては公募型プロポーザルなどを検討する。基本設計は16年度の途中まで行い、引き続き実施設計に移る。既存の解体や新施設の建設などの工事は17年度以降となる。
既存施設の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ2425平方bの本館など。築40年が経過し老朽化が進んでおり、耐震性もないことから改築する。
所在地は土佐清水市三崎4032。