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建通新聞社四国
2015/05/15

【徳島】徳島県 87項目の政策提言まとめる

 徳島県は、2016年度政府予算に対する政策提言をまとめた。13日には国の新たな制度や施策に反映されるよう、政府などに対して提言活動を行う。「まち・ひと・しごとの好循環で『地方創生』を推進」(68項目)と「『地方創生』を導く社会基盤づくりの確立」(19項目)をテーマに計87項目で構成。前年度より8項目増えた。新規に「地域イノベーションを先導するロボット開発」や「建設産業の生産性向上に対する支援」など29項目を盛り込んだ。
 今回の政策提言では、「地方創生」をリードし、「日本創生」の実現につなげる処方箋として、地方創生の旗手として、新たな政策と大胆な制度の見直しを提言するなどした。「まち・ひと・しごとの好循環で『地方創生』を推進」では、「しごとの創生」「ひとの創生」「まちの創生」に分け提言。
 「しごとの創生」では、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」をテーマに、地方創生を実現する科学技術イノベーション(新規)や建設産業の生産性向上に対する支援(同)など30項目を盛り込んだ。このうち、建設産業の生産性向上に対する支援では、地域防災力や地域の経済・雇用を支える建設産業が直面する厳しい経営環境や担い手不足などの課題を解決するために、建設業法における主任技術者の専任配置要件となっている請負金額基準を引き上げ、受注機会の拡大を図ることを提言。建設企業が生産性を高め、健全な経営を維持することで、次世代を担う若者がやりがいを持って働く、足腰の強い建設産業づくりを求めていく。
 「ひとの創生」では、「地方への新しいひとの流れをつくる・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」をテーマに、産官学連携による農林水産研究の強化(新規)や防災リーディングハイスクール(仮称)の創設(新規)など17項目を提言。防災リーディングハイスクール(仮称)の創設では、近年、多発する大規模災害などに対する防災対策として、高等学校が地域防災の拠点(災害時の医療救護所や物資拠点、無線設備など)と人材育成(防災士、無線技士など)の機能を発揮するよう、ハード・ソフト両面で整備する財政支援などを求める。
 「まちの創生」では、「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」をテーマに、地方の英知が結集された低炭素型社会の実現(一部新規)や学校施設の長寿命化の推進(新規)など21項目を提言。学校施設の長寿命化の推進では、公共施設等総合管理計画の個別施設計画(徳島県は15年度策定予定)に基づき、適切な時期に長寿命化改修が実施できるよう、これまで全面的改修(7000万円以上※小規模校1000万円以上)が対象だった長寿命化改良事業を部分的改修を対象とするよう提案するほか、財政負担を軽減(交付税措置で実質的な負担を100%→30%に)するよう求める。
 このほか、「『地方創生』を導く社会基盤づくりの確立」では、四国新幹線の実現(継続)や大規模自然災害を迎え撃つ国土強靭化の着実な推進(新規)、道路施設の強靭化(一部新規)などを盛り込んだ。大規模自然災害を迎え撃つ国土強靭化の着実な推進では、国土強靭化地域計画に位置付けた取り組みに対する具体的な財政支援や新たな交付金制度創設を求める。道路施設の強靭化では、必要な予算確保と予算の地域重点配分化のほか、緊急輸送道路を跨ぐ橋梁の点検や修繕などについて、「防災・安全交付金」の対象にするよう、制度拡充を求めることにしている。