建通新聞社(東京)
2015/05/14
【東京】都 今夏にもカヌー・スラローム会場設計
東京都建設局は、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会で使用するカヌー・スラローム会場の設置に向けた基本設計を今夏にも着手したい考えだ。競技団体との協議を経てコースレイアウトなどの検討がまとまるのを待って、プロポーザル方式で委託先の選定手続きを開始する。
カヌー・スラローム会場は当初、葛西臨海公園に建設する計画だったが、貴重な自然環境を後世に残すという同公園の設置目的などに配慮し、建設地を隣接する都有地(葛西水再生センターの一部、江戸川区臨海町6ノ1)に変更し、国際オリンピック委員会の了承を得た。
立候補ファイルでは、延長約300bの競技コースと同200bの練習コース(水深0・8〜1・5b)を設けるとともに、水の流れを生み出すための送水・揚水ポンプや水をためるための貯水槽、大会運営諸室などを設置。仮設で約1万5000席の観客席を配置する計画だった。
会場計画の見直しでは、舛添要一知事が「大会後は中高生がカヌーを学び、同時に隣の葛西臨海公園で小学生や幼稚園の子どもが水遊びをして、最後に家族でバーベキューをして楽しむといった活用ができないか」と見直しの方向を提示。隣接する葛西臨海公園の機能と一体となったレジャー・レクリエーション施設とすることも視野に施設計画の検討を進めている。
都では、コースレイアウトの検討とともに五輪後の後利用について一定の方向がまとまるのを待って基本設計に着手し、15年度中に成果を得たい考えだ。
建設局ではこれに先立ち、現況測量を委託するための希望制指名競争入札手続きを始めた。6月10日の開札後、建設地(葛西水再生センター内)での基準点測量や現地測量を実施し、8月17日納期で成果をまとめて設計作業に反映させる。