日本工業経済新聞社(山梨)
2015/05/13
【山梨】県内自治体の新庁舎計画
本紙調査によると、県内の自治体で2015年度予算に新庁舎建設関連事業費を計上しているのは、南アルプス市、富士川町、峡北広域行政事務組合となっている。峡北広域行政事務組合は15年度に基本・実施設計の策定を進め16年度着工を目指す。富士川町では基本構想の策定を進める。一方、南アルプス市では、新庁舎建設反対を公約としていた金丸一元氏が新市長に就任したため、今後の動きは未定。
計画自治体の概要は次のとおり。
【南アルプス市】
新市長に庁舎の移転新築反対を公約に掲げていた金丸一元氏が就任したことで、計画が白紙となる可能性が出てきた。現在、金丸市長からは具体的な指示は出されていないが、庁舎準備室では、実施中の基本設計業務の対応などを協議している。
新庁舎は、南アルプス消防署西側の用地を取得し、延べ床面積約1万2800u規模で計画。既に設計業務をUG都市建築・綜合建築設計事務所・土谷設計事務所JVに委託し、来年度から造成・建設、18年度の完成を目指す計画だった。
15年度当初予算には新庁舎建設推進事業費として約6億円(実施設計業務4444万2000円、土地取得3億9200万円、物件補償1億6800万円など)を計上している。
金丸市長は市長選の公約に、現市役所の位置で必要最低限の拡張・改修案を掲げていた。
【富士川町】
15年度当初予算には、本庁舎敷地及び新庁舎基本構想策定業務委託料として529万2000円を計上。志村学町長は、分庁舎などに分散している行政機能を一本化するため、新庁舎を建設する方針を示している。
【峡北広域行政事務組合】
15年度当初予算には、庁舎建設に伴う委託費8000万円を計上。このほど新庁舎建設に伴う基本設計および実施設計業務を石本建築設計(東京都)・馬場設計JVに委託した。契約額は5780万円。
新庁舎は、既存施設の経年数による老朽化や耐震性などのため、既存施設の隣接地に、本体(延べ床面積約2200u)、車庫倉庫棟(約1050u)、訓練棟などを設置する計画。
15年度は、基本設計及び実施設計をまとめるともに、地質や測量など調査業務も行う。16年度にも着工し、新施設が完成次第、既存庁舎を解体する。跡地は駐車場としての活用を検討していく。
【丹波山村】
このほど庁舎検討委員会を立ち上げた。建て替えや移転などの方向性は出ていない。建設基金の積み立てを行っている。馬場設計(甲府市)が行った現庁舎の耐震調査では、「築40年近く経つと耐震補強よりも建て替えが望ましい」という結果が出ている。