県農林水産部農林水産政策課は「千葉県農林水産関係施策概要」の2015年度版をまとめた。それによると、同部の本年度一般会計予算額は対前年度比22・3%増の532億1318万円となった。営林事業等4会計を合わせた特別会計は同5・8%減の5億5590万円。一般会計と特別会計を合わせた総額は同21・9%増の537億6908万円となった。本年度は県農林水産業振興計画の2年目で、同計画の実現に向けて各分野の取り組みを加速させる。
一般会計の投資的経費は同39・0%増の305億689万円。投資的経費のうち、普通建設費は同7・1%増の179億8606万円。普通建設費の補助・単独の別は、補助事業が同10・1%増の161億117万円、単独事業が同12・7%減の18億8488万円。
各課別の予算額は、@農林水産政策課127億1129万円(対前年度当初比1・4%減)A団体指導課9億3747万円(同20・6%増)B生産振興課21億3858万円(同53・7%増)C流通販売課6億4035万円(同81・3%増)D担い手支援課13億6959万円(同0・8%減)E農地・農村振興課31億9262万円(同26・2%増)F安全農業推進課1億1824万円(同8・6%増)G耕地課237億227万円(同48・3%増)H畜産課10億6809万円(同36・2%増)I森林課31億9134万円(同5・8%減)J水産局水産課6億1248万円(同12・0%減)K水産局漁業資源課5億8016万円(同0・7%減)L水産局漁港課29億5066万円(同11・9%増)。
本年度の主要事業は、新「輝け!ちばの園芸」産地整備支援事業3億円、園芸産地競争力強化総合対策事業9億5655万円、ちばの園芸産地活性化支援事業2500万円、森林整備事業2億4445万円、6次産業化推進事業5億5800万円、「環境にやさしい農業」推進事業1818万円、農林水産物等放射性物質対策事業7700万円、多面的機能支払交付金事業15億1155万円、土地改良事業223億8949万円、漁港建設事業28億8618万円、耕作放棄地総合対策事業9100万円、イノシシ等有害鳥獣被害防止対策2億1000万円など。
土地改良事業では、昭和40年代から50年代に集中的に造成された、耐用年数の経過した農業水利施設の老朽化対策を進めるほか、地域の中心となる担い手への農地集積を加速化し、低コストで生産性の高い農業の実現を目指し、ほ場整備等の生産基盤整備を実施する。主な事業は、@基幹水利施設ストックマネジメント事業9億8850万円A経営体育成基盤整備事業28億2700万円B農地防災事業(ため池等整備事業、湛水防除事業、特定農業用管水路等特別対策事業、地すべり対策事業)18億1020万円など。
基幹水利施設ストックマネジメント事業は利根地区ほか12地区、経営体育成基盤整備事業は豊岡地区ほか14地区、農地防災事業はため池等整備事業を大正地区ほか5地区、湛水防除事業を和泉地区ほか6地区、特定農業用管水路等特別対策事業を香北地区第2地区、地すべり対策事業を成川地区ほか9地区で実施する。
また漁港建設事業は、水産物の生産及び流通機能の強化を図るため、防波堤等の漁港施設を整備するとともに、漁港の老朽化対策や耐震・津波対策等を進める。主な事業は、@拠点漁港整備事業9億3460万円A漁港漁村基盤整備事業8000万円B水産基盤ストックマネジメント事業14億7110万円C市町村営漁港建設事業9725万円D公共漁港災害復旧事業1億円など。
このうち水産基盤ストックマネジメント事業は、経年変化により老朽化した漁港施設の長寿命化を図りつつ、更新コストの平準化・縮減を図るため、施設の機能診断を行い、保全工事を実施するほか、補助事業の実施要領の一部改正に伴い、新たに水域施設の補修が対象施設として拡充されたことから、航路、泊地の浚渫を併せて推進する。また、拠点漁港や防災上重要な漁港で岸壁、防波堤の地震・津波に対する安全性を診断し、施設の機能強化を図る。
一方、新規事業は、畜産競争力強化対策事業2億円、浜の活力再生プラン推進支援事業3047万円など。また、農林総合研究センター再編整備事業に2450万円を計上。施設が分散し老朽化が著しい農林総合研究センターについて、新品種の開発や新たな栽培技術等の確立に向けて効率的な研究体制を整備するため、施設を2階建て1棟に集約し建て替えることとし、本年度で基本設計を行う。