建通新聞社(東京)
2015/04/30
【東京】都 BRTの基本計画策定
東京都都市整備局は、都心と臨海副都心を結ぶBRT(バス高速輸送システム)の運行ルートや停留施設の考え方を示す基本計画を策定した。有識者会議での検討結果を踏まえ、都心・副都心間の往復ルートを基本としつつ、それぞれの地域のピーク需要に合わせたシャトル運行や、拠点となる駅施設同士を結び大規模な需要地を回るフィーダー輸送を加えることでさまざまな需要に対応。主要な停留施設には可能な限り建屋を整備するとともに、コミュニティーサイクルなどの乗り継ぎ施設や小規模商業施設を設ける。この計画を基に5月にも運行事業者の公募・選定手続きを開始し、事業計画を策定していく。
BRTの運行については、東京駅や有楽町駅、銀座駅、新橋駅といった都心部と、勝どきや晴海、豊洲、有明、国際展示場など臨海副都心の間を往復するルートを基本とし、それぞれの地域ごとに異なるピーク需要に合わせたシャトル運行や、鉄道駅間を結び大規模な需要地を連絡するフィーダー輸送を組み合わせる。
BRTの起終点として、虎ノ門や八重洲地区の再開発事業で計画されているバスターミナルに乗り入れることや、発着場所となる停留施設を高層マンションなど大規模建築物のエントランスや公開空地を活用することを検討し、関係者との協議を進めていく。大規模マンションなどの敷地を活用する際には、建物所有者などを対象に公募することも視野に入れる。
停留施設には可能な限り建屋や待ち合い施設を整備して快適性を確保するとともに、利便性を高め地域の生活拠点となるよう、コミュニティーサイクル・バスの乗り継ぎ施設、小規模商業施設などを設置する。
その上で、事業スキームについて、BRTの事業化に必要な各種施設の整備や調達・運行・維持管理を、公共(都)と民間事業者が役割を分担して行う「上下分離方式」の他、補助制度の拡充などを検討。併せて燃料電池車の導入と、これに伴う水素ステーションの設置場所や整備・運営主体を検討していく。
都は今後、この基本計画を踏まえて運行事業者の公募・選定手続きに着手。事業計画の策定後、施設整備などを開始し、2019年度の運行開始を目指す。