日本工業経済新聞社(山梨)
2015/04/27
【山梨】東電が甲斐市内の鉄塔2基を建替え 景観審議会が了承
甲斐市は22日に景観審議会を開き、東京電力の送電線鉄塔の建替え計画について審議し、了承した。同社は本年度市内における2基を老朽化のため建て替えるとしている。
同市は4月から景観条例を施行。景観形成基準への適合第18条に従い、同社が建替えを計画する送電線の鉄塔が不適合工作物建築にあたるとして、審議会で検討されることとなった。
東京電力山梨支店の説明によると、154kV甲信幹線は建設から90年以上が経過しており、経年劣化による鋼材不良や部材などの強度不足の不具合が生じている。このため、茅ヶ丘広域農道脇のbS03および中央自動車道双葉ジャンクション内のbS20の2基を対象に建替えを行うとしている。
bS03は既設高さ27・9mを48・9mに、bS20は同じく32・0mを43・2mに建替える。建設に際しては、既設のものを包み込むかたちで行うことを基本としており、既設部材が新設のものと当らないように高さを調整している。
また建替え時の法令順守として、電線の高さ6m以上を確保するとともに、離隔距離として植物3・2m以上、建造物4・8m以上、重機類4・0m以上を設定している。さらに、高さ10mを想定する低層住宅の新築を考慮し、盛土2m、クレーンによる吊りしろ3m、電線の安全距離4mを加えた送電線の地上高19m以上を同社では想定している。
東京電力は、甲斐市における本年度建替え対象の2基の間にある12基を撤去し、新たに8基を建設する計画を来年度に見込んでいる。また同市以外、北杜市と韮崎市の鉄塔の建替えも視野に入れている。
【写真は双葉JCT内のbS20鉄塔。左奥の北西方面へ続く鉄塔12基で来年度建替え計画がある】