基幹水利施設ストックマネジメント事業の野田地区(匝瑳市)が計画決定した。総事業費5億3500万円(うち工事費4億9000万円)を投入し、老朽化した野田排水機場の設備や制水門の更新工事などを実施する。事業期間は2019年度までの5か年。事業主体は県海匝農業事務所。
同地区は、湛水防除事業により野田排水機場、野田制水門及び幹線排水路が整備されたが、造成後27年を経過し、ポンプ設備、電気設備、制水門の老朽化及び放流工矢板の著しいサビが確認されている。このまま放置すると機能低下が進み、排水不良が懸念され、農業経営の安定に支障をきたすことが予想される。このため、機能保全計画に基づく対策工を実施し、ライフサイクルコストを低減し、施設の有効活用と長寿命化を図ることとした。
野田排水機場の主な設備は、ポンプが横軸軸流式の1号ポンプと2号ポンプの2台。1号ポンプの設備は、φ1000oの1号主ポンプ、110kwの1号電動機、200V・250Aの1号カム型始動器、1号蝶型弁など。2号ポンプは、φ1350oの2号主ポンプ、ディーゼルエンジン275Psの2号原動機、2号減速機、2号蝶型弁など。除塵機は前掻レーキ型一式。
また、制水門はB7・5mの電動式ローラーゲート。放流工は鋼製矢板B3・2m、H2・0m、L20・0m。
工事費の内訳は、機械設備3億3600万円(ポンプ設備工1億2450万円、電気設備工2億1150万円)、除塵設備1500万円、水門設備8800万円、土木構造物5100万円。
年度別事業費及び事業内容は▽15年度=測量試験一式1000万円▽16年度=ポンプ設備工5370万円、電気設備工2480万円、土木構造物工5100万円、測量試験550万円▽17年度=ポンプ設備工6760万円、電気設備工6140万円、測量試験150万円▽18年度=電気設備工1億2530万円、測量試験150万円▽19年度=ポンプ設備工320万円、除塵機工1500万円、水門設備工8800万円、測量試験150万円。
主な工事の内容は次の通り。
【機械設備】
▽ポンプ分解整備等=@1号主ポンプ2590万円A1号電動機520万円B1号カム型始動器10万円C1号減速機645万円D1号蝶型弁520万円E2号主ポンプ3100万円F2号原動機860万円G2号減速機645万円H2号蝶型弁780万円I冷却水ポンプ更新250万円▽電気設備更新=@高圧受電設備1億2590万円A直流電源設備1456万円B非常用発電設備2860万円
【除塵機設備】
▽除塵機本体分解整備=862万690円▽架台床板更新工事=145万円▽操作盤=280万円
【水門設備工】
▽水門設備=@水密ゴム交換103万円A開閉装置分解整備43万円▽操作盤・監視操作装置設備更新=@監視操作盤1724万円AITV操作盤862万円B遠方監視制御装置親局1面948万円C同子局1面862万円D操作盤1面603万円E水位計2組328万円FITVカメラ1台302万円
【土木工事】
▽放流工(吐出部)=@放流工導流工(重防食矢板)1799万7308円A仮設工(鋼矢板2重締切り)1127万7353円B撤去工(既設鋼矢板)35万6776円▽補修工=@野田制水門補修工(断面補修)7340万円A護岸補修工63万円