市原市は21日、設計・施工一括発注(デザインビルド)方式による防災庁舎建設工事の公募型プロポーザル選定結果を公表した。優先交渉権者に選ばれたのは大成・進和JV。提案価格(消費税を除く)は35億9700万円。市は今月28日に開催予定の臨時議会に契約議案を提出し、議決を経て実施設計に入る。
今回のプロポーザル参加者は、大成・進和JVのほか大林組、戸田建設の3者で、4月11日の審査会(会長・鮎川二郎千葉商科大学名誉教授)で大成・進和JVを優先交渉権者、戸田建設を次点候補者に選定した。
提案価格(消費税を除く)は、公募に際して市が提示した上限提案価格43億3529万3000円に対して、大成・進和JVが35億9700万円、戸田建設が38億4470万円、大林組が40億2000万円だった。
また、技術提案に対する加算点は大成・進和JVが62・8、戸田建設が56・4、大林組が52・0で、提案価格を含めた評価値は大成・進和JV7・306、戸田建設6・669、大林組6・269だった。
防災庁舎は、現在の市民広場の位置に建設する計画で、議会・厚生棟との間の防災庁舎に隣接する部分には、防災広場を併せて整備する計画。整備対象施設は、防災庁舎(駐車場上屋、連絡通路含む)の新築、既存エネルギーセンターの改修(外壁補修、設備機器更新、備蓄倉庫整備等)、外構整備(防災広場整備、既存バス停上屋移設、市民会館連絡通路撤去等)。
基本設計段階での防災庁舎の規模は、S造(免震構造)4階(PH)建て、建築面積2332・12u、延べ8490・87u(各階2112・48u、PH40・95u。EV昇降路76・40u含む)で、ほかに駐車場上屋が平屋建て、建築面積165・59u、延べ144・50u、バス停(移設)が12・04uなど、合計の建築面積は2569・41u、延べ床面積は8647・41u。
既存のペデストリアンデッキを利用して現庁舎の1階と防災庁舎の2階を連絡。また、災害の発生に備え、停電時の対応として電源の多重化や上水用耐震性貯水槽、トイレ排水用として井戸水を利用した中水槽、非常用汚水貯留槽、防災備蓄倉庫等を設置するほか、環境への配慮として太陽光発電システムや、階段室を使用した自然換気システムを採用する。
本年度は、実施設計を進めながら、市民会館に新設するエネルギー棟による単独空調運転の開始後、市民会館への連絡通路の解体工事に着手。16年度から17年度にかけて本体工事を進め、17年10月ごろの完成を目指す。完成時期については当初、17年12月ごろを想定していたが、提案の中で解体工事及び本体工事の効率化を図り、工期を前倒しできる見通しとなった。
なお、防災庁舎整備事業の基本設計は昭和設計、庁舎建設事業管理支援業務については明豊ファシリティワークスが担当。