千葉市は15日、同市公共施設等総合管理計画(案)を公表した。昨年7月に策定した公共施設見直し方針を基に、対象施設に道路や上下水道などのインフラを加えて、総合管理計画(案)をまとめた。公共施設等の維持管理に必要な費用を、今後30年間で約1兆5710億円(公共建築物6839億円、インフラ8871億円)と試算。30年間で約6743億円、年平均で約225億円の収支不足が見込まれるとしたうえで、公共建築物については30年間で総延べ床面積の約15・7%の縮減が必要になるとした。一方、インフラに関しては面的縮減は当面難しいとして、施設の長寿命化等によるコストの縮減や予算の平準化等の取り組みが必要だとした。総合管理計画を踏まえて市は、2016年度に策定予定のアクションプランで施設グループ、圏域別の再配置等を検討するとともに、20年度を目途に個別施設計画の策定を進める。
同市が保有する公共建築物(13年4月1日現在)は1027施設、総延べ床面積249・3万u。用途別では学校施設が179施設、延べ122・3万u(49%)、市営住宅が49施設、延べ38・4万u(15%)を占め、これに公園・スポーツ・レクリエーション44施設、延べ18・7万u(8%)、行政施設77施設、延べ17・1万u(7%)、文化施設31施設、延べ13・5万u(5%)が続く。
一方、インフラ(13年4月1日現在)は道路施設が国道・県道・市道3282・6q、橋梁446橋、トンネル・ボックスカルバート100本、大型構造物(横断歩道橋、門型標識等)743か所、下水道施設が管渠3646・6q、処理場2か所、ポンプ場160か所、上水道施設が管路375・6q、機場7か所、ごみ処理施設が清掃工場3施設、リサイクルセンター1施設、最終処分場5施設、し尿処理場1施設などで、ほかに河川施設や砂防施設、公園施設、農業集落排水施設、モノレール施設等がある。
公共建築物については、築30年以上を経過しているものが現在約62%に達しており、10年後には約79%に達する。一方、インフラ施設についても老朽化対策や耐震化等の対応が必要。
今後30年間で維持更新に必要な費用は約1兆5710億円(公共建築物約6839億円、インフラ約8871億円)、1年あたり約524億円と試算。これに対して直近3か年の投資の実績を維持できたと仮定した場合、約8967億円(1年当たり約299億円、必要額の約57%)は充当できるものの、約6743億円(1年あたり約225億円、必要額の約43%)の不足額(収支ギャップ)が生じるとしている。
このうち公共建築物の収支ギャップは約2663億円、インフラの収支ギャップは約4080億円。公共建築物については30年間で約15・7%の総量縮減(延べ床面積の縮減)に取り組む必要があるほか、インフラも施設の長寿命化等に取り組む必要がある。
公共建築物に関しては、集約化や複合化、民間施設の活用、類似機能の統合、実施主体や管理運営主体の変更、サービス提供方法の変更等で、また、インフラは点検・診断等や情報基盤の活用、適切な施設規模の検討、耐震化の実施等でこれに対応する。
また、公共建築物は施設グループごとに再配置にあたっての見直しの方向性(アプローチ)を示した。小中学校については、継続する施設の整備費用に充てるため、余剰施設の売却や貸付を積極的に進めるほか、市営住宅は高層化・集約化を図り、余剰地を売却活用。コミュニティ施設は利用率を高めるため、集約化・複合化を推進するなどとしている。