建通新聞社
2015/04/13
【大阪】国土交通省近畿地方整備局 15年度予算
国土交通省近畿地方整備局は、総額約1兆0077億円(前年度比5・5%増)の2015年度予算を発表した。1兆円超えは5年ぶり。内訳は直轄事業が約3174億円(同2%増)、補助・交付金事業が約6903億円(7・2%増)。国道24号京奈和自動車道(大和御所道路)の整備に約146億円、国際コンテナ戦略港湾「阪神港」の整備に約290億円を投じる。
直轄の事業別内訳は、治水が約724億円、道路が約1964億円、港湾が約345億円、都市水環境整備が約54億円、官庁営繕が約20億円、国営公園が約49億円、海岸が約15億円。
治水・砂防関係を見ると、由良川、弘法川・法川の床上浸水対策に新規に着手するほか、由良川と桂川の緊急的な治水対策を継続。堤防整備や河道掘削などに取り組む。
熊野川河川激甚災害対策には約44億円を充当。河道閉塞(へいそく)などに起因する土砂災害への対応では約86億円を投じ、奈良県や和歌山県内で砂防堰堤の整備を進める。
淀川では、安全性が不足する番田地区の堤防について、断面拡大などの堤防強化対策を実施する。全体事業費に約9億円を見込む。
天ケ瀬ダム再開発はトンネル式放流設備の工事などに約98億円を充当。足羽川ダムには約41億円を投入し、付け替え道路の整備を行う。大戸川ダムは検証対象事業として付け替え道路工事を予定。
道路関係では、松原那智勝浦線の田辺〜すさみ間の延長38`の整備に488億円を充て、15年度に開通させる。丹波綾部道路の京丹波わちインターチェンジ(IC)〜丹波IC間は7月の開通を予定。このほか大野油坂道路(大野・大野東区間)、湖西道路(真野〜坂本北)、大宮峰山道路の3路線の整備に新規着手する。
15年度の道路調査の見通しでは、「優先区間の絞り込み調査」を播磨臨海地域道路、「概略ルート・構造の検討」を名神湾岸連絡線、国道8号(彦根〜東近江)、宇治木津線(城陽〜木津川)、「都市計画・環境アセスメントを進めるための調査」を北近畿豊岡自動車道(豊岡北〜豊岡南)、淀川左岸線延伸部で行う。
港湾関係では、神戸港の六甲アイランド地区や大阪港の夢洲地区で岸壁の耐震改良や航路・泊地の浚渫、荷さばき地の整備などを行う。京都舞鶴港の機能強化には約4億円を充当し、航路・泊地の増深改良を進める。
営繕関係は、下津港湾合同庁舎の耐震改修など防災拠点となる官庁施設の機能強化に約16億円を充てる。
公園関係では、飛鳥・平城宮跡歴史公園に約32億円、明石海峡公園に約11億円、淀川河川公園に約5億円を配分する。淀川河川公園では背割り堤地区サービスセンターの建築工事を行う。