日本工業経済新聞社(群馬)
2015/04/13
【群馬】前橋工科大実験棟改築 6月の理事会を経て設計委託
前橋工科大学が計画している実験棟改築で、前橋市は、本年度当初予算に委託費2000万円を計上した。上期中にも基本・実施設計を公告する見通しだ。大学側が新たな実験棟の施設規模や設置機能の内容について検討を進め、6月に開く理事会で計画案を提示。理事会で承認が得られれば、夏には市から委託業務が簡易型条件付き一般競争入札で公告となる。
前橋市上佐鳥町にある前橋工科大学では実験棟、2号棟、図書館の3棟で耐震性能に課題を抱えている。2012年度に耐震診断を実施した結果、実験棟はD判定、2号棟と図書館はC判定という結果を受けた。
前橋工科大学は13年3月から公立大学法人となり、校地は大学側の所有となったものの、施設は前橋市の所有であるため、今後の施設整備に向けては、ほかの市有施設の管理状況、財政状況などを勘案しながら耐震性を確保していくこととなる。ただ、実験棟については早期に耐震性能を確保し、優先整備を図ることが決まっている。現段階では、既存施設の南西にあるクラブ棟前の駐車場あたりの敷地を活用して建て替えを検討しているところ。
実験棟は、1972年築のS造平屋建て、延べ床面積925・45u。土木や建築に関する振動関連の実験施設として頻繁に活用されている。今回の設計委託に向けて、施設規模やどのような機能を備えるか検討を進めていく。
大学内には、実験棟のほかにも耐震性能が低い2号棟と図書館がある。これら2棟も09年度と10年度に耐震診断を実施した結果、C判定だった。将来的には、これら2棟の対応も図る計画だが、ほかの市有施設の整備に向けた優先順位もあるため、今のところ実施時期は未定。2号棟は1972年築のRC造3階建て、延べ床面積1803・3u。図書館は1976年築のRC造4階建て、延べ床面積2076・89uとなっている。