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建通新聞社
2015/04/10

【大阪】大阪市 豊臣期石垣 15年施設計画見直し

大阪市経済戦略局は、大阪城の豊臣時代の石垣を公開する施設整備計画で、2015年度に遺構調査のほか、施設計画の見直しを行う。施設整備の実施設計は16年度に行い、施設整備本体の工事発注は17年度となる見通しだ。
 14年度に実施した発掘調査で、徳川期の「砂利敷きの通路跡」が天守閣の南東、重要文化財「金蔵」の東側で発見された。公開施設整備予定地を南東から北西方向に延びる幅約2・5b、延長約27bの通路跡で、両側に幅0・4〜0・8b、深さ約0・1〜0・2bの浅い溝を伴い、玉石や瓦片が敷き詰められ、上面は固く絞まっている。
 大阪城内でこうした通路跡が発見されたのは今回が初めて。このため、徳川期遺構の通路跡を現地に保存しながら、地下の豊臣期石垣を公開することとした。
 15年度に実施する遺構調査は、大阪市博物館協会を通じて進める予定。
 施設計画の見直しでは、発見された通路跡や金蔵周辺の石列・石組溝など徳川期遺構の修復やパネル展示などを検討する。施設計画見直しは、安井建築設計事務所(大阪市中央区)が引き続き担当。
 徳川期遺構発見前の施設規模は地下1階地上1階建て延べ約600平方bを想定。地下階に石垣展示ホール、地上階にガイダンスルーム設置を計画していた。
 施設整備に関連して、15年度は他に豊臣期石垣の北側にある大手前配水池の敷地造成工を水道局で進める。公開施設整備で豊臣期石垣が露出すると、大手前配水池側の土圧が石垣にかかることが予想されるため、配水池法面の一部を切り土し、石垣への土圧軽減を図る。
 事業は、豊臣秀吉が築いた初代大坂城の石垣を掘り起こし、常時公開できる施設を整備、大阪城エリアの世界的観光拠点化の一環と位置付ける。
 事業費の一部は、募金「太閤なにわの夢募金」でまかなう計画だ。工事着手時期が延びたことに伴い、募金期間を2年間延長し、17年3月31日まで受け付ける。
 2月末時点での募金額は約1億2750万円、約3500件となっている。担当者は「日々、お問い合わせを頂き、大変感謝している。引き続きご協力をお願いしたい」と話す。