白井市は6日、庁舎整備実施設計技術支援者選定プロポーザルの募集要項を公表した。国土交通省が導入を進める多様な入札方式の一つであるECI方式により、市、実施設計者と協働して技術提案及び技術支援を行う施工予定者を募集する。4月30日に参加表明書の提出を締め切り、5月1日に参加資格審査結果を通知する。技術等提案書の提出期限は6月12日(正午)で、ヒアリングを経て同下旬に選定結果を公表する。市は実施設計終了後に施工予定者から見積を徴集し、工事予定価格の範囲内であれば工事請負契約を締結することになる。
プロポーザル参加者は単体企業とし、国または地方公共団体等が発注した工事で、過去10年間(2005年度から14年度の間)に延べ床面積4000u以上の新築工事、延べ床面積5000u以上の耐震改修工事の完了実績を有すること、千葉県内に本社(本店)または支社(支店、営業所等)があること、経営事項審査の「建築一式」での総合評定値が1600点以上であること等が条件。
施工予定者となった者は、市、実施設計者との三者会議に出席し、技術提案した内容を実施設計に反映させるため、@設計全般に対する技術検証A技術提案及びVE提案B総合施工計画の検討、提案及び作成Cローリング計画の策定及びローリング計画に付随する仮設計画D工事工程の検討及び提案、工程表の作成Eコスト管理支援F技術提案したものの図面及び資料等の作成等を行う。
履行期間は契約締結の翌日から16年3月25日まで、業務委託料の限度額は470万円(消費税を除く)。プロポーザルではVE提案を求め、価格と価格以外の要素を総合的に評価し、施工予定者を選定する。評価事項に関する配点(100点満点)は、企業の技術力及び姿勢15点、提案項目50点(技術提案44点、市内業者活用等6点)、価格項目35点(うちVE提案25点)。
ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメントの略称)は、設計段階から施工予定者が参加して施工性を検討し、実施設計に反映させる方式で、工期短縮や工費のリスク軽減が期待できる。国土交通省が昨年度募集した多様な入札方式のモデル事業で、愛知県新城市の庁舎整備が同方式で選ばれているほか、新国立競技場の建設にも採用されている。
同庁舎は既存庁舎の減築改修と新築棟の建設により、現庁舎敷地内(復1123、敷地面積2万5210・05u)において整備が計画されている。減築改修棟は、8階建ての既存棟を4階建てに減築改修するもので、減築後の規模はSRC造地下1階地上4階(塔屋)建て、延べ5876・19u。一方、新築棟の規模はS造地上4階建て、延べ4507・07u。
1期工事で新築棟、2期工事で減築改修棟を整備。新築棟は減築改修棟(既存本庁舎)と保健福祉センターとの間に東西軸に配置。減築改修棟と1棟化し、保健福祉センターとは渡り廊下で接続することにより、3棟が連携する一体的な施設配置とする。
基本計画及び基本設計はINA新建築研究所が担当しており、実施設計も近く随契で同社へ委託する予定。基本設計段階での建設費は40億9213万8000円(諸経費込み、消費税別)で、内訳は新築棟建設工事19億9507万6000円、既存棟減築改修工事17億9558万4000円、外構整備工事1億7358万円、渡り廊下棟建設工事8556万円、保健福祉センター改修工事3695万6000円、附帯費用(仮駐車場)538万2000円。
プロポーザルでは、このうち庁舎整備に係る事業費(40億8675万6000円、消費税を除く)を超える概算見積の提案は評価0点として扱うとしている。
今後のスケジュールは、施工予定者の技術支援を受けながら本年度で実施設計を進め、施工予定者の見積額が工事予定価格内であれば、来年4月の臨時議会に工事請負契約議案(新築棟、減築改修棟一括発注)を上程。議会の議決を経て、工期1年10か月程度で新築棟及び減築改修棟の工事を進め、18年1月ごろの完成を目指す。