建通新聞社(東京)
2015/04/03
【東京】神宮球場と秩父宮ラグビー場を連鎖的建替
神宮球場と秩父宮ラグビー場の連鎖的な建て替えをメーンとする神宮外苑地区約17fのまちづくりが動き出す。東京都と地権者である明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、高度技術社会推進協会、伊藤忠商事、日本オラクル、三井不動産が、まちづくりの方向について合意し覚書を締結した。2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の終了後、地権者の個人施行による土地区画整理事業として施設整備に着手する考えだ。
都は、国立競技場の建て替え計画の具体化を契機に、新宿区と港区にまたがる神宮外苑地区一帯の再整備を進めていくため13年6月に地区計画を決定した。新国立競技場の整備が動き始めたことから、「次世代の国民・都民に残すレガシー」として、大規模スポーツ施設を中心としたさまざまな施設の集積(スポーツクラスター)と魅力ある複合市街地を実現させるよう、関係者が連携・協力してまちづくりを進めていくことで合意した。
対象区域は新国立競技場と青山通り(国道246号)に挟まれた約17f。明治神宮が野球場(神宮球場)と第二球場、テニスコートなどを、JSCがラグビー場(秩父宮ラグビー場)を配置している他、伊藤忠商事が本社ビル、日本オラクルと三井不動産がOMスクエア、高度技術社会推進協会が先端技術館TEPIAを所有している。
再編整備では、スポーツ競技の継続を前提とし、現在の秩父宮ラグビー場やテニスコートのある場所にまず新たな野球場を建設。完成後に神宮球場を取り壊し、跡地に新たなラグビー場を配置することを想定している。この進展に合わせて伊藤忠が本社ビルの建て替えを含めた開発を実施する。OMスクエアとTEPIAは新しい建物のため現在のまま残す一方、この二つの建物に挟まれた区域(現在はラグビー場の一部)でも民間開発を促す。併せて区域内に歩行者ネットワークを整備していく。
20年の五輪終了後、すぐに施設整備に着手する考えで、今後、事業手法や手順を含めたまちづくりの詳細な協議を行いつつ、都市計画などの手続きを順次進めていく。早ければ6年間程度で事業を完了させる。