公共施設のあり方を検討する袖ケ浦市は「公共施設(建築物)の再編整備計画案」をまとめ、1日から意見募集を開始した。昨年度でまとめた「公共施設(建築物)の再編整備に関する基本方針」に基づき、施設分類ごとに短期(概ね5年間以内)、中期(同10年間以内)、長期(同20年間以内)の方向性を示した。
短期では、新庁舎等の基本・実施設計、総合教育センターの耐震化または移転・統合などを位置付けた。再編整備の効果としては短期、中期の取り組みの達成で、10年間で概ね9億6000万円の節減を見込む。意見募集は今月30日まで実施する。
同市内にある公共施設の多くは老朽化し、今後建て替えや大規模改修が集中することが予想される。このため同市では、11年度から公共施設のあり方の検討に着手。11年度に「袖ケ浦市公共施設のあり方検討に係る取組方針」を策定し、12年度に「袖ケ浦市公共施設白書」をまとめ、13〜14年度の2か年で「袖ケ浦市公共施設(建築物)再編整備に関する基本方針」を策定した。再編整備計画案は同方針に基づき、各施設分類ごとの方向性を示した。
同計画では、概ね5年以内に実施するものを「短期」、概ね10年以内に実施するのを「中期」とし、「長期」は同20年以内に取り組むこととした。
短期では、新庁舎の設計、総合教育センターの耐震化工事または移転・統合、旧学校給食センターの跡地利用、臨海スポーツセンターのあり方などについて検討。中期では、行政センターの民間委託の導入、消防本部・中央消防署・長浦消防署の集約や移転、市営住宅神納谷団地の解体などを位置付けた。
短期で実施する主な施設の取組内容は次の通り。
▽庁舎=新庁舎耐震補強・大規模改修工事と旧庁舎等増改築工事の基本・実施設計を実施し、財政状況等を踏まえて建設時期を検討▽平川保育所・吉野田保育所=近年園児数の減少が続いていることから、子ども・子育て支援事業計画を踏まえて幼保連携を検討▽健康づくり支援センター=施設内の空きスペースの有効活用策を検討▽老人福祉会館=用途変更による活用方策や民間事業者への譲渡を含め、あり方を検討▽小・中学校=短期、中期で老朽化の著しい受電設備、校舎棟の外壁、トイレ、受水槽などの改修工事を実施し、施設を長寿命化▽中川幼稚園=子ども・子育て支援事業計画を踏まえて幼保連携を検討▽今井幼稚園=子ども・子育て支援事業計画を踏まえた施設整備や幼保連携など施設のあり方を検討▽総合教育センター=現施設の耐震化改修工事の実施、あるいは他施設への移転や統合を含めて、有効性や経済性等を総合的に検討▽学校給食センター=移転後の旧学校給食センターについて、解体による跡地利用を含めて多方面での需要を検証し、活用策を検討▽市民会館・公民館=計画的に外壁及び屋根防水工事や大規模改修工事を実施し、施設の長寿命化を図る▽中央図書館・長浦おかのうえ図書館=窓口業務の見直し及び指定管理者制度の導入を含めた運営体制を検討▽郷土博物館=計画的な改修工事が必要なことから、外壁、設備等の改修工事を実施し、施設の長寿命化を図る▽臨海スポーツセンター=施設全体の老朽化や体育館棟の照明不足等の課題も含めて、今後の施設のあり方を検討▽消防本部・中央消防署=長浦消防署との機能分担の見直しにより、必要な消防力を維持しながら再配備を推進▽長浦消防署=近接した中央消防署との機能分担の見直しにより、必要な消防力を維持しながら再配備を推進▽職員住宅・教職員住宅=17年度に用途を廃止し、建築物を解体。解体後の跡地の利活用は、民間譲渡も含め多方面から検討▽笠上集会所=用途を廃止し、地元区との協議のうえ移管または解体▽奈良輪会館・高須会館・蔵波会館=今後の議論を踏まえ、できるだけ早期に施設移管を行う。