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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/04/01

【群馬】県桐生森林が林野火災復旧に1・1億投入

県桐生森林事務所は本年度、桐生市菱町2丁目の林野火災復旧へ約1億1000万円の事業費を投入する。谷留工4基の設置と約6haの森林整備が行われるほか、現地の状況を再度確認する全体計画調査業務も委託する考え。現在の復旧計画では、2015〜19年度までの5カ年で谷留工11基の新設を見込んでいるが、調査の結果次第で必要な整備数が動くこともありそうだ。
桐生市菱町2丁目では、昨年4月15日に山火事が発生し、隣接する栃木県足利市の山林まで延焼。5月2日に鎮火されるまで桐生市側で191haが焼失し、5億7000万円の被害が出た。
焼失地は、一級河川黒川の上流にあたる東ノ入沢へ複数の支沢が注ぎ込んでいる地形。同地の表土は雨水の浸透力が低下し、山腹斜面に降った雨水が焼失した山林の下流にある沢に集中して表土洗掘による濁流が発生している。こうした流れが土砂や倒木を巻き込み、山が荒廃しているほか、山腹崩壊による土石流の発生が懸念されている。
そのため、県桐生森林事務所は昨年度、土砂流出が著しく緊急度の高い2カ所へ谷留工の整備を行った。それに加え、15〜19年度の5カ年で、東ノ入沢に注ぐ7渓流へ谷留工11基を新設する。本年度は4基を見込んでいるが、19年度までかからずに全基の整備が完了する可能性もある。
被災地では、こうした土木工事で治水を進めつつ、被災した木材の伐採や搬出、造林も進めていく。本県の被災面積のうち、桐生市有林が143ha、民有林48haとなっており、市有林については桐生市が伐採と搬出に取り組んでいる。県桐生森林事務所でも保安林事業や奥地保安林保全緊急対策事業などによる37・18haの伐採と造林を行う。
このほか、東ノ入沢の下流では、県桐生土木事務所が砂防堰堤の整備を計画している。