日本工業経済新聞社(群馬)
2015/03/31
【群馬】渋川市が入札制度を改正
渋川市は、4月1日から入札制度を一部改正する。改正内容は、最低制限価格を無作為変動型とする点と、現在は事後公表となっている予定価格を事前公表とする点の計2点。特に最低制限価格の無作為変動型は、県内では初の試みとなる。今回の変更は工事案件のみを対象としており、業務委託について変更しない。
今回の改正は、前副市長が官製談合防止違反などの容疑により、逮捕・再逮捕されたことを受けてのもの。
最低制限価格の設定時はこれまで、中央公契連の2011年4月モデルを適用してきたが、改正後はこのモデルで算出された最低制限価格にある程度の幅を持たせた無作為の係数を掛け、最終的な最低制限価格とする。
最低制限価格に掛ける係数は、開札と同時に自動で決定する。最低制限価格は業務委託でも設定しているが、今回の改正は工事のみであるため、業務委託の最低制限価格は従来通りの方法で決める。
無作為変動型の最低制限価格を導入している他自治体では、係数の幅を公表しているところもあるが、渋川市については非公表扱いとする。
無作為係数による変動型最低制限価格の導入は県内初となり、県外では茨城県、兵庫県、大阪市などが導入している。
他方、予定価格の事前公表だが、市は08年度まで行っていたが、国から入札談合の防止対策として事後公表の推進を示されたことから、09年度より事後公表としていた。しかし、官製談合の防止に重点を置くため、今回の改正で事前公表に回帰した格好。
今後について、市契約検査課は「県内で初の導入となるため、制度を運用しながら、改善点などが出てきた場合は、その都度検討を進めていく」と話した。
渋川市を除く県内11市をみると、予定価格は6市が事前公表、5市が事後公表となっており、一方の最低制限価格導入は3市が事前公表、8市が事後公表としている。