建通新聞社四国
2015/03/20
【香川】24年連続下落も下落幅縮小
2015年の香川県地価公示結果が明らかになった。県全体の住宅地、商業地を含む全用途平均の対前年平均変動率(以下、平均変動率)は、マイナス2・3%。前年(マイナス3・8%)と比べ下落幅は縮小したものの、1992年以降24年連続の下落となった。住宅地はマイナス2・1%(前年マイナス3・4%)、商業地マイナス2・5%(同マイナス4・2%)で、いずれも前年より下落幅は縮小した。市町ごとの平均変動率は全市町で住宅地、商業地、全用途平均の全てが下落。しかし、継続地点のうち1地点で価格が上昇し14地点で横ばいとなるなど、変化も見られる。
住宅地の最高価格地点は県内では高松―3(高松市番町3ノ14ノ8)、1平方b当たり21万9000円で変動率はゼロ。商業地は前年同様、高松5―1(高松市磨屋町2ノ6外、あなぶきセントラルビルリーフスクエア)(写真)で1平方b当たり38万2000円。変動率はマイナス2・1%。
地価公示は国土交通省土地鑑定委員会が毎年1回、標準地の正常価格を公示し一般の土地の取引価格に対し指標を与え、公共事業用地の取得価格算定の基準になる。標準地の公示価格はことし1月1日の単位面積(1平方b)当たりの正常な価格。県内調査地点(標準地)で前年からの継続168地点のうち、1地点(住宅地:高松―44、高松市多肥上町宮尻1415ノ10)で唯一価格が上昇し変動率1・5%。14地点で横ばいとなり、残り153地点で下落した。
高松市内の平均変動率を見ると、住宅地はマイナス1・5%、商業地マイナス1・7%、全用途平均マイナス1・7%と92年以降、24年連続で下落している。
だが、下落率の幅は全てにおいて縮小した。
四国4県の比較では香川県は他の3県に比べ全用途平均の下落率が最も大きい(徳島県マイナス1・7%、愛媛県マイナス2・2%、高知県マイナス2・2%)。地方圏平均(三大都市圏除く)はマイナス1・2%、全国平均はマイナス0・3%となっている。
県内地価公示の結果で国土交通省土地鑑定委員会地価公示香川分科会代表幹事の岩井競平氏(岩井不動産鑑定所)は、住宅地について「人口減少・高齢化率の上昇等に伴って空き家率は上昇しているマイナス要因に変化はない。しかし、大企業を中心とした経済動向に好転が認められることや、政府・日銀によるインフレ政策と消費税率引き上げなどで、ゆっくりとインフレが進行していること等のプラス要因が、土地価格にそれぞれ逆方向に影響しあって綱引き状態にある」と分析。その上で、「高松市の中心部(番町・昭和町・錦町・宮脇町・上之町・桜町など)や、一部郊外(多肥上町・太田上町・太田下町など)の生活利便性の高い住宅地は需要が回復。プラスマイナスゼロの地点が11地点と大幅に増加した」などとコメントとした。