トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(山梨)
2015/03/18

【山梨】県が強靭化計画素案

 県は、策定を進めている強靱化計画の素案を17日に開催した第3回有識者会議に示した。素案では、リスク対象とする自然災害を@地震A富士山噴火B豪雨・豪雪―とし、30の最悪の事態から特に回避すべき15事態を重点化する。重点化計画には耐震化の推進、富士山噴火対策、土砂災害などによる陸の孤島化対策などを挙げた。推進方針には、建設産業を担う人材の確保も盛り込んだ。
 素案は今月末に国へ提出し、2015年度には議会説明やパブリックコメントを行い、年度内に計画を策定する。計画期間は15年度から19年度までの5年間。
 県の強靱化計画の基本目標は@人命の保護A重要な機能の維持B被害の最小化C迅速な復旧・復興。南海トラフ巨大地震や富士山火山噴火などの自然災害を対策の対象とする。
 強靱化のポイントである脆弱性の評価では、30の「起きてはならない最悪の事態」を設定し、それぞれの推進方針を検討。推進方針には、行政機能分野では防災体制の強化や県庁舎施設の耐震化などを、住宅・都市分野では建築物の耐震対策推進やインフラ長寿命化などを、国土保全分野では土砂災害対策推進などを、老朽化対策分野では道路や橋梁などの対策を盛り込んだ。
 また、30の「最悪の事態」から特に回避すべき15の「最悪の事態」を絞り込み、緊急性などの点から重点化すべき施策を選定。具体的には、耐震化対策、富士山噴火対策、土砂災害などによる陸の孤島化対策、水害対策などを挙げた。
 県の有識者会議は、強靱化計画の策定に対して専門的な立場から意見や提言を行うために設置された。17日の会議で松谷荘一知事政策局長は「後藤新知事も強靱な県土づくりを掲げている。強靱化計画は重要な計画となる」とあいさつ。有識者会議の鈴木猛康座長(山梨大学工学部土木環境工学科教授)は「計画を推進する上で適材適所での人の配置も大切」と人材の重要性を指摘した。また市町村への計画の浸透を促す意見も出た。
 強靱化計画素案の主な推進方針は次のとおり。
 ◆行政機能分野=県庁の災害対応力の強化、防災体制の強化、県庁舎施設の耐震化
 ◆住宅・都市分野=建築物などの耐震対策の推進、インフラなどの長寿命化・耐震化
 ◆産業分野=自立・分散型エネルギーシステムの導入、建設産業を担う人材の確保など
 ◆交通・物流分野=避難などに備えた道路の整備、リニア中央新幹線の整備、電柱の地中化、道の駅への防災施設の整備
 ◆国土保全分野=土砂災害対策の推進
 ◆老朽化対策分野=道路、橋梁、トンネル、公園施設などの老朽化対策