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建通新聞社(神奈川)
2015/03/16

【神奈川】横建協と県土整備が初の意見交換会 協定の在り方などを協議

 横浜建設業協会(横建協・土志田領司会長)と神奈川県県土整備局(浅羽義里局長)との意見交換会が16日に横浜市内で開かれた。担い手3法の改正や、いのち貢献度指名競争入札の試行拡大などで、国や県の入札・契約制度が大きく変わっている中、地元建設業者と県の意見を交換することで公共工事を取り巻く環境を改善することが狙い。横建協と県との意見交換会は今回が初めて。意見交換では、災害協定の在り方、いのち貢献度指名競争入札の改善などについて話し合いを継続していくことになった。
 冒頭、土志田会長は、「県は90%の最低制限価格率を撤廃するという大きな決断をされた。私どもの要望をお聞きいただいたものと感謝している。国においては積算基準において、長年の要望だった一般管理費の見直しという英断を下された。20年間苦しい思いをしてきた建設業界にとって非常に喜ばしい改善だ。と同時に我々にも労働環境の改善という命題をもらったものと捉えている。今まで以上に県土整備局と連携し、改善を進めていきたい」とあいさつした。
 浅羽局長は、「県土の安全安心は我々だけではなし得ない。建設業界は十数年間逆風にさらされてきたが、担い手3法の改定、単価の改善など建設環境改善の動きが出てきた。中長期的にな担い手育成などに一体となって取り組まなければ今後の経営は成り立たない。90%の最低制限価格率撤廃も品確法を考えると、当たり前のことだ。より良い環境づくりに向け、忌憚(きたん)のない意見を寄せてほしい」と呼び掛けた。
 意見交換会では、県土整備局側が@「いのち貢献度指名競争入札」の試行範囲拡大A入札制度における建設業者の社会保険等未加入対策B入札金額内訳書の添付義務化C入札体制施工台帳の提出義務化D総合評価方式ガイドラインの改正E設計労務単価の引き上げF工事の最低制限価格率−について説明。
 その後の意見交換では、横建協側がいのち貢献度指名競争入札の選定基準となる災害協定について、「建築分野だけでなく、土木分野でも結びたい」と要請。県土整備局側は、「治水事務所との協定状況などを調査し、対応を検討したい」とした。
 また、「歩切りは担い手3法の改正でも違法性を示している。今後、どのように対応するか」と質問。県土整備局側は、「担い手3法では、財源の捻出などのために根拠なく引き下げる歩切りの違法性をうたっている。県は、入札における事故防止のために実施しており、担い手3法には抵触しないと考えている。計算式は公表しているので、きちんと見積もれば設計価格は出る。同一価格に入札が集中するのが良いのかという問題もある。国も何%までなら、という基準を示されておらず、今後、法の考え方にのっとって議論する部分はある」と答えた。
 この他、横建協側から「最低制限価格率の算定式が複雑」「最低制限価格率を95%以上に」などの意見が出された。これに対して、県土整備局側は、「工事規模に応じて補正しているのがかながわ方式の特徴で多少複雑となる」「工事金額が低いほど最低制限価格率が高く、高いほど率が低くなる方式。中小企業育成に合致している」「一般管理費をどの程度に見るか、今後の議論が必要」などと答えた。