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建通新聞社
2015/03/12

【大阪】大阪府 万博誘致へ今夏にも中間取りまとめ

大阪府政策企画部は、2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致を目指し、4月以降に経済界、有識者などによる「国際博覧会大阪誘致構想検討会」を設置し、誘致の可能性についての検討を深める。併せて、開催候補地や経済効果などの各種調査業務を外注し、検討会に必要なデータを収集。今夏にも中間的な取りまとめを行いたいとしている。万博誘致となれば候補地のインフラ整備なども必要になることが予想され、建設業界としてもその経済波及効果に期待が集まる。
 大阪への万博誘致は、昨年の9月議会において松井一郎府知事が「日本や大阪の成長の起爆剤になる」とし、誘致に乗り出すことを明言。15年度当初予算案に新規事業として事業費2196万円を計上した。
 事業費は誘致構想検討会の運営費と各種調査業務の委託費、海外調査費、経済産業省との調整に伴う事務費に充てる。
 各種調査は▽開催意義・テーマ検討のデータ収集▽開催候補地調査▽府民・企業意識調査▽経済効果調査−などを行う。
 万博は5年ごとに開かれており、15年ミラノ(5月1日〜10月31日)、20年ドバイまでの開催地が決まっている。大阪が誘致を目指すのは25年。
 誘致に向けては地元自治体や経済界と意思形成を図った上で、政府に対する地元基本構想を策定、提出。その後、政府の閣議了解を経て、国家プロジェクトとして博覧会国際事務局(BIE)に申請し、BIE総会の投票で開催地を決定する手順を踏む必要がある。
 25年の開催地決定のための申請は、16年度の受け付けが見込まれる。ただ、受け付け開始後、別の国から申請があった場合、最初の申請者の申請日から6カ月後を受付期限とするため、16年度申請を目指すのであれば、15年度中に基本構想をまとめておく必要があり、今後の検討にはスピード感も求められる。
 大阪府市の特別顧問を務める堺屋太一氏は昨年、府日本万国博覧会記念公園運営審議会にゲストスピーカーとして出席した際、「現在の万博公園を会場とし、25年の万博開催地に立候補したらどうか」と提案していた。
 1970年の大阪万博では累計入場者数6400万人を記録。経済波及効果は5兆円(現在の貨幣価値換算)近くに上ったとする試算もある。
 府の担当者は、「候補地は白紙の状態。府全域からアクセス性や広さなどを考慮し、今後の議論の中で絞り込みたい」と話している。