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日刊建設タイムズ社
2015/03/12

【千葉】耐震化率など重要業績指標明示/旭市の国土強靭化計画案/重点プログラムに10項目

旭市は「旭市国土強靭化地域計画案」をまとめ、今月20日までパブリックコメントを実施している。計画案では、脆弱性評価をもとに、起きてはならない最悪の事態を想定した28項目について、各施策の実施年度や毎年度の進捗状況を把握するための推進計画を明示し、重要業績指標(KPI)を設定。このうち重点プログラムとして10項目を設定し、最悪の事態を回避するための施策を示した。
  主な重点プログラムの重要業績指標を見ると、「地震による建物倒壊や火災発生による多数の死傷者発生」を回避するための施策として、2020年度までに耐震化率を、住宅は13年度の約74・7%から95%に、旭中央病院は13年度の約94・5%から100%に、社会福祉施設は14年度の約85%から95%に、社会体育施設は14年度の約62・7%から100%にそれぞれ引き上げるとともに、指定緊急避難場所の指定数を14年度の0から10か所に、指定避難所の指定数を14年度の28か所から30か所に、福祉避難所の指定数を14年度の6か所から10か所にそれぞれ増やす。また公共施設等総合管理計画を16年度までに策定する。
  「広域にわたる大規模津波の発生及び河川等開口部からの津波流入による多数の死者の発生」を回避するための施策では、海抜表示板400か所の適切な管理を行うほか、避難誘導看板を14年度の82か所から20年度までに90か所に、海岸保全施設の整備率を13年度の12%から20年度までに100%に、保安林における砂丘堤の整備率を13年度の43%から20年度までに100%にそれぞれ引き上げる。
  「避難路における通行不能」を回避するための施策では、新規津波避難道路のうち横根三川線の整備を15年度に完了させ、椎名内西足洗線の整備率を14年度の5%から18年度までに100%に引き上げるとともに、中里谷仁玉線について、他の2路線の進捗状況を見極めながら着手する。
  「食料等の安定供給の停滞」を回避するための施策では、県が行う銚子連絡道路(供用延長6q)の早期延伸を図る。
  「上水道等の長時間にわたる供給停止」を回避するための施策では、上水道の耐震化率を13年度の9・4%から25年度までに43・1%に引き上げるとともに、25年度までに適切な配水池容量を確保する。
  「地域交通ネットワークが分断する事態」を回避するための施策では、清滝バイパスの早期完成を目指すほか、補修を要する橋梁の整備率を14年度の24%から20年度までに100%とする。また、旭中央病院アクセス道路事業の整備率(国道126号以北)を14年度の5%から20年度までに100%とする。
  「防災施設等の損壊・機能不全による二次災害の発生」の回避では、16年度までに防災施設維持管理マニュアルを策定する。
  同計画案は、国土強靭化の基本目標を@人命の保護が最大限に図られることA市及び地域の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されることB市民の財産及び公共施設にかかる被害の最小化C迅速な復旧――の4項目とし、これをもとに、大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限に図られる、大規模自然災害発生直後から救助・救急、医療活動が迅速に行える――など、8項目の事前に備えるべき目標を設定した。
  脆弱性評価は、国の「国土強靭化地域計画策定ガイド」に基づき実施。想定するリスクを、首都直下型地震、南海トラフ地震、千葉県東方沖地震、津波、液状化、崖崩れ、竜巻、台風等による風水害とし、市の地域特性を踏まえて「起きてはならない最悪の事態」として28項目を設定し、回避するための施策を示した。
  同地域計画は、国における国土強靭化基本計画と同様に、いわゆる「アンブレラ計画」としての性格を持ち、総合計画をはじめとする市の各種計画は、この地域計画を手引きとして、国土強靭化の観点から必要な見直しを行い、必要な施策を具体化する。計画は期間を設けず、PDCAサイクルによる維持管理を行う中で、必要に応じて修正する。
  同市は、昨年6月に内閣官房から国土強靭化地域計画モデル調査実施団体に指定されたことから、10月に旭市国土強靭化地域計画検討委員会(小嶋卓委員長)を立ち上げ、計画の策定作業を進めていた。計画案はパブコメ後、年度内に決定する。k_times_comをフォローしましょう
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