建通新聞社四国
2015/03/10
【高知】高知県 土砂災害対策を推進
高知県は、2015年度に南海トラフ地震後の山津波や豪雨による土砂崩れなどの土砂災害対策を促進する。昨年8月に高知県を襲った台風による豪雨や、広島県で発生した大規模土砂災害を踏まえ、土砂災害警戒指定区域のさらなる加速化や地域住民の命と暮らしを守るハード整備を充実させる方針で予算を重点的に投入する。
土砂災害警戒区域については、年間2000カ所の指定に向け基礎調査を実施するため、15年度当初予算案で5億3600万円を計上している。これは14年度の約2倍の予算額となる。県内の土砂災害危険箇所は1万8112カ所で、このうち15年3月末で約8000カ所の指定を見込んでいるが、15年度以降指定を加速化する。県では20年度にすべての指定を完了させる方針。
砂防関係施設のハード整備については、要配慮者利用施設や避難所などの優先的保全に14年度予算とほぼ同額となる24億6900万円を計上している。15年度は砂防24カ所、急傾斜地66カ所、地すべり12カ所が対象予定。急傾斜地崩壊危険区域内での津波避難路整備には3300万円で、須崎市西町と高知市長浜が対象。
昨年8月の豪雨災害による地すべり被災箇所の再度災害防止については、道路施設の公共土木施設災害復旧事業に4億3400万円を計上。対象は四万十市伊才原と宿毛市二ノ宮。今回予算計上はされていないが、このほか7カ所で災害申請が予定されており、見込み額は約20億円。また高知市鏡的渕の特定緊急地すべり対策事業には2億9400万円を計上、16年度予算に継続して2億3000万円を投入し完了させる予定。
砂防関連施設などの計画的な維持管理については、15年度からの新規事業として砂防関連施設の長寿命化計画策定に着手する。15年度当初予算案には5100万円を計上しており、18年度の策定完了を目指す。老朽化した砂防施設の緊急改築に5300万円を計上、対象は宿毛市の雁ヶ池川と大月町の長沢川。このほか、土砂災害警戒警報の発表に必要となる雨量観測施設の維持管理修繕などに4400万円を計上している。
がけくずれ住家防災対策の強化についての市町村への補助金は、前年度の1・34倍となる3億2200万円を計上しており、昨年8月の豪雨災害でぜい弱化した家裏のがけ対策を強化する。