県総合企画部交通計画課は「千葉県における鉄道アクセス向上に関する調査業務委託」の企画提案を募集する。国の交通政策審議会陸上分科会鉄道部会で空港アクセスの改良が重要なテーマとして議論されていることや、JR東日本が発表した羽田空港アクセス線など新たな路線の構想、航空需要の増加予測などを踏まえ、成田空港や都心へのアクセス向上のための改善策を検討する。
具体的には、成田空港付近の単線区間の複線化や京葉線の複々線化について、概算事業費、事業採算性などを検討し、効果・影響、事業採算性を分析、実現に向けた課題を整理する。
参加資格は、県の物品等入札参加資格(委託)を有する者など。今月13日に県庁南庁舎別館で説明会を開催する。企画提案書は4月3日までに交通計画課鉄道事業室に提出する。委託料は1000万円以内(消費税込み)。委託期間は契約締結日から2016年3月22日まで。同提案は県の15年度予算の成立を前提としているため、予算の成立をもって有効となる。
審査は@提案者A提案内容B業務遂行体制C経費妥当性――の4項目で最優秀提案者を選定する。
同調査は13年度に実施した「千葉県における今後の都市鉄道のあり方に関する調査」で整理した課題や今後の方向性を踏まえ、具体的施策について追加調査を実施する。
具体的な委託内容は「成田空港への鉄道アクセスの向上策」と「東京都心へのアクセス向上策」。「成田空港への鉄道アクセスの向上策」では、成田空港を発着する列車の増発や、列車の待ち合わせ解消による速度向上が可能となる「成田空港付近の単線区間の複線化」、また「東京都心へのアクセス向上策」では、京葉線の複々線化について検討し、概算事業費の積算、事業による効果・影響の分析、事業採算性、実現に向けた課題の整理を行う。
成田空港への鉄道アクセスの向上策では、単線区間の複線化など速達性の向上と併せて、空港駅の二重改札の解消、バリアフリー、案内表示の改善など利便性の向上策についても検討する。また京葉線の複々線化は、京葉線と武蔵野線の合流地点(市川市高谷付近)〜新木場駅間の複々線化を検討する。
事業効果・影響の分析では、同箇所を複々線化し、京葉線とりんかい線の相互直通運転、京葉線と羽田空港アクセス線の相互直通運転が実現した場合の、京葉線の運行パターンを設定。さらに、その運行パターン下での需要予測を行う。
県では、13年度に「千葉県における今後の都市鉄道のあり方に関する調査」を実施。東京駅を中心として概ね50q圏の範囲を対象に、鉄道に関する他の交通モードも含めた検討を行った。