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建通新聞社四国
2015/03/06

【高知】高知市 桂浜公園再整備基本構想案

 高知市は3月3日、桂浜公園の再整備に向けた第5回検討委員会を開催し、基本構想案をまとめた。公園全体を六つのエリアに分け、施設配置と整備内容を示し、駐車場から海辺のデッキ沿いの動線に沿って、土産物売り場や飲食店などを配置する「賑わい施設」などを整備する計画だ。基本構想を踏まえ、2015年度は基本計画を外注、公募型プロポーザル方式で6月までに公告する予定。16年度から順次、設計などに着手する。
 基本構想案では、桂浜公園の導入部となる駐車場付近を「エントランスエリア」、砂浜沿いを「自然・海浜景観エリア」、坂本龍馬像付近を「龍馬をしのぶエリア」、坂本龍馬記念館付近を「龍馬を学ぶエリア」、公園の林内を「自然・歴史散策エリア」、公園近隣の浦戸地区を「コミュニティ連携エリア」と六つのエリアに分け、整備を進めていく。
 エントランスアリアに整備する賑わい施設では、デッキへの階段と一体化し、2階レベルで展望テラスを検討する。賑わい施設から龍馬銅像広場にアクセスするエレベーターも整備する。駐車場については、一般乗用車の収容台数は現状と同等以上とし、路線バスとタクシーの乗降場は一般駐車場の外側に配置、園内移動バス乗降場は駐車場から見えやすい賑わい施設前に設置する。このほか、浦戸湾内から桂浜公園へのアクセスに使用する客船の船着場や階段状の東浜親水テラスを整備する計画。
 このエリアの整備手法については、PFI事業または公設民営事業の両面で検討しており、15年度中に結論を出す予定。整備スケジュールはPFIの場合、16年度上期に可能性調査、16年度下期からアドバイザリー、17年度後半から基本・実施設計、18年度後半から建設工事に着手し、20年4月の賑わい施設開業を目指す。公設民営事業の場合は、16年度に基本設計、17年度に実施設計、18年度から工事を進め、19年7月の賑わい施設開業を目指す。
 自然・海浜景観エリアでは、フットライトの導入など浜沿いを安全に歩くことができる遊歩道、月見の広場、浜辺の園地、海の眺望スポット、ユニバーサルデザインに配慮したトイレなどを整備する計画。16年度に基本設計、17年度に実施設計、18年度から19年度前半まで工事を進める予定。
 龍馬をしのぶエリアでは、龍馬像と桂浜を結ぶ散策路の拡幅を検討する。17年度前半に基本設計、17年度後半から18年度前半に実施設計、18年度後半から19年度前半まで工事を進める予定。
 龍馬を学ぶエリアでは、県が坂本龍馬記念館の新館建設と既存館のリニューアルを進めるため、現在基本設計中。18年1月のオープンを目指す。
 自然・歴史散策エリアでは、桂松閣跡地でやぐら展望台などスポットや斜面地を広場として整備、灯台付近で写真景観ポイントとしてふさわしい景観整備、灯台下で休憩スポット整備、歴史・自然資源と句碑の案内板整備、展望台(旧アスレチック広場)で多目的に使用可能な広場整備、林内散策路の案内板設置と既存園路の滑りやすい舗装、手すりの再整備などを計画。17年度後半から基本設計、18年度後半から実施設計、19年度後半から20年度まで工事を進める予定。
 コミュニティ連携エリアでは、空き地や空き家を活用した広場、休憩スペース、駐車場などの整備を検討するほか、歴史資源の案内板、外国人にも対応した桂浜公園各施設の誘導案内板整備などを計画。18年度後半から計画と設計、19年度後半から20年度まで工事を進める予定。
 現段階での概算事業費は約47億円。このうち賑わい施設に約18億円、東浜親水テラスと駐車場整備にそれぞれ約3億円を見込んでいる。
 なお、桂浜水族館については、移転も含めた整備方針の検討を進めているが、策定までに相当の時間を要すると見られていることから、今後も別途で協議・検討を行っていく。