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建通新聞社
2015/02/25

【大阪】大阪府 ダイオキシン超高濃度対策無害化へ

大阪府都市整備部は、神崎川の糸田川合流部左岸におけるダイオキシン類超高濃度汚染底質対策の無害化処理費用として1億7000万円を算出。2015年度の「大阪府河川および港湾の底質浄化審議会」で対策箇所の優先順位を議論し、低濃度汚染対策と併せて、詳細調査の方法や対策スケジュールを固める。
 超高濃度汚染の範囲は、国道423号新御堂筋渡河部の西側約300b付近の神崎川左岸812平方b。川底の表層下0〜1bに最高で1万2000㌰c−TEQ/gの超高濃度ダイオキシン類が確認されたため、有識者会議で対策範囲や処理方法について審議してきた。
 無害化処理の対策土量は812・5立方bを見込む。通常の汚濁防止枠に加え、掘削区域のさらに外側に汚濁防止膜による二重の囲い込みを行う。処理方法は焼却(ロータリーキルン燃焼方式)。掘削後は、覆砂による埋め戻しを行うことなどを条件に処理費用を算出した。
 処分先候補には関電ジオレ(兵庫県尼崎市東浜町1ノ1)を想定。対策地の近くにあり、汚染底質を船で直接搬入でき、積み換え、余水処理施設が不要になることを利点に挙げた。
 神崎川では、新御堂筋渡河部より西側の下流域でダイオキシン類の汚染が広範囲に認められ、06年ごろから高濃度(1000〜3000㌰c−TEQ/g)の汚染範囲の対策を優先的に進めてきた。来年度末に現行計画は一定完了する予定だ。
 超高濃度汚染範囲については表層から40a以上深い場所にあり、流出による汚染拡散の可能性は低いとみる一方、表層の低濃度汚染(150〜1000㌰c−TEQ/g)は流出しやすく、膨大な量が確認されていることから、今後、限られた予算の中でどちらを優先的に実施するのか、判断していく。
 担当者は、「超高濃度と低濃度汚染対策は次期計画に盛り込み、16年度以降早期の実施を目指したい」と話す。
 単位の㌰cTEQ/gは、1cの土壌中に含まれているダイオキシン類の量を表す単位。TEQはダイオキシン類を最も毒性の強いダイオキシン(2、3、7、8−4塩化ジベンゾジオキシン)に換算したもの。