建通新聞社
2015/02/23
【大阪】大阪市 南港市場再整備で来年度に基本計画
大阪市は、南港市場将来戦略プランに基づく施設再整備に向け、2015年度に基本計画を策定する方針を決定した。戦略プランによると、16年度に基本設計、17〜20年度に実施設計・工事を行う予定だ。従来方式での概算整備事業費は132億円で、DB(デザインビルド)方式を採用した場合、さらに1割程度の削減を想定する。基本計画策定業務は公募型プロポーザル方式による委託先選定を視野に調整中。来年度早々の契約を目指している。
南港市場は、府域で唯一の食肉中央卸売市場で、取扱高(13年度実績264億円)は東京都食肉市場に続く全国2位。大阪市住之江区南港南5丁目の現在地に移転してから、30年以上が経過しており、老朽化への対応と衛生水準・機能の向上が急務になっている。
戦略プランでは、日本一安全・安心で質の高い食肉の供給拠点を基本コンセプトとし、施設の再整備、集荷力・分荷力の向上、民間活力の活用によるランニングコストの削減で、市場の機能向上と運営の効率化を図ることとした。
整備手法については、民間活力の活用に向けて国や関係機関とも協議し、基本計画の策定までに最適な手法を決める。このほか市場内事業者による一部直接投資も検討する。施設規模は将来の人口動向を見込み、牛が1日180頭(現行200頭)、豚が1日400頭(現行1000頭)の加工量を設定する。既存施設の総延べ床面積は3万1000平方b。敷地面積は10万平方b。
施設配置では、牛と豚の屠畜解体施設を完全に分離し、屠畜解体から部分肉加工までを1棟で行えるようにするほか、既存施設の活用・集約により有効活用検討地を生み出す。有効活用検討地については、事業用定期借地権などを活用し、食肉関連施設の導入を図る。
従来方式の場合、15年度に基本計画、16年度に基本設計、17年度に実施設計、18年度に事業者選定・着工、20年度に新施設稼働、外構完成といったスケジュールになる。
一方、基本設計分離によるDB方式の場合、15〜16年度は従来方式と同じで、17年度から事業者公募・選定、実施設計、工事に順次着手。19年度末に新施設稼働、20年度に外構完成を想定する。
ランニングコストについては、施設・設備の維持管理に総合メンテナンス方式を導入。併せて、施設規模のダウンサイジング、機器の省エネ化を行い、現行から約20%(4億4000万円)を削減する見通しを示した。