トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

福島建設工業新聞社
2015/02/19

【福島】土砂災害警戒区域指定/県、基礎調査を促進

 県土木部は、土砂災害の警戒区域指定を促進する改正土砂災害防止法の施行と土砂災害防止対策基本指針の変更を受けて、警戒区域指定の目標を見直しするとともに、区域指定の前提となる基礎調査について、実施目標を検討する。改正法では都道府県に対し、27年度から5年間で調査を完了するよう促しているが、調査の促進には財政面や人的充足の課題が大きく、県は国に財政支援を求めながら、調査の進度アップを図っていきたい考えだ。
 広島市で昨年8月起きた大規模土砂災害を踏まえて改正された土砂災害防止法。@都道府県による基礎調査結果公表の義務付けなど基礎調査制度の拡充A土砂災害警戒区域における警戒避難体制の整備│などが改正の柱だ。国にも自治体を支援する努力義務を課した。
 基礎調査の推進で国土交通省は、調査の実施主体である都道府県に対し27年度から5年間をめどに完了するよう促している。
 課題は財政上の負担とマンパワーの不足だ。
 土砂災害発生の恐れがある危険個所は県内に8689カ所あり、県は人家が多いなど重要性の高い3545カ所を優先して重点調査することにしているが、基礎調査を経て昨年末までに警戒区域指定を終えたのは2379カ所。
 同部は、部の長期計画「ふくしまの未来を拓く県土づくりプラン」で、32年度の土砂災害警戒区域指定率目標を「50%以上」(23年度20・1%)に置いているが、改正法の主旨を踏まえて、国に財政支援を求めながら基礎調査と区域指定を急ぎたい考えだ。
 また、土砂災害防止対策基本指針では、各自治体に、基礎調査の実施目標と進捗状況の報告を求めており、県も調査の実施目標について検討を行っている。