北海道建設新聞社
2015/02/17
【群馬】群馬会館の空調などを改修
県管財課は新年度、前橋市大手町にある群馬会館の空調設備改修、ホール天井耐震化、ホール内壁の難燃化工事などを予定する。新年度予算案に5億3000万円の事業費を計上したほか、2016年度を期間とする2億2700万円の債務負担行為も設定。4月早々に実施設計、11月からは工事に着手したい考えだ。群馬会館では、空調以外の設備も経年劣化が進んでいることから、同課は5年程度の期間をかけてそれらの更新を目指す。
群馬会館は、昭和天皇即位の大典を記念して、1930年(昭和5年)に建設された。建物はRC造4階建て、建築面積1318・72u、延べ床面積4473・79u規模。向かいに建つ昭和庁舎を手掛けた佐藤功一により設計され、調和が取られている。1983年の「あかぎ国体」に先立ち、1981・82年に大規模改修工事を行った経緯がある。
館内の設備は、修繕を繰り返しながら使用してきたが、すでに大規模改修から30年以上が経過しており、一般的な耐用年数を大きく超過している。特に空調に関しては、設備が古いことから交換用部品の調達が困難で、いつ止まってしまってもおかしくない状況だという。
こうした状況を踏まえ、同課では2013年度に施設の劣化診断や長期保全計画をつくり、14年度には基本設計を行っている。その中で、空調設備の更新が最も緊急性を要すると判断、15・16年度にかけて更新工事に着手する。また、420人程度を収容する2階ホールに備わる天井の耐震化、内壁の難燃化工事もあわせて取り組み、利用者の安全性・利便性向上を図る。工法は実施設計の中で詰めていく。
工事は11月から16年5月ごろまでを予定しており、それに伴い、12月ごろから来年5月までの間、貸館部分は閉鎖となる。ただし、館内テナントである食堂や理容室、群馬県観光物産国際協会の業務は工事中も継続する予定。
群馬会館では、電気設備や給排水設備も劣化が進んでいるが、予算の兼ね合いで新年度は取り組む予定はない。トイレも狭く、使い勝手が良くないため、15・16年度の工事後、改修を行っていきたい考えだ。同課の担当者は「国の登録有形文化財にもなっており、文化財としての保全や安定的・継続的に活用していくためには改修が必要。今後も大切にしていき、県民の皆さまにご利用いただきたい」と話している。