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建通新聞社四国
2015/02/17

【香川】県15年度予算案 5.7%増 

 香川県は総額4605億円余りにのぼる2015年度一般会計当初予算案を明らかにした。予算規模は4605億7800万円で、14年度当初予算に比べ約250億円増加し同比5・7%増の顕著な伸び。2年連続で増え、ほぼ05年度当初予算(4563億4100万円)並みに伸びた。05年度以降では最大規模。一般会計に占める投資的経費は612億0800万円。13年度に比べ9・7%増えた14年度当初予算時(606億4200万円)よりもさらに0・9%増加した格好。国の好循環拡大経済対策につなぐ補正予算を受けて県の2月補正予算案に同経済対策関連として41億4100万円を追加。同追加補正と一体となった切れ目のない地域・経済活性化策に取り組む。2月定例県議会は18日に開会。会期は3月16日までの27日間。
 予算規模が増大した主な要因は、歳入面で緩やかな景気回復に伴う法人事業税の増収や、地方消費税の平準化による増収が見込まれ、一般財源総額が増加する要素が大きい。加えて県立高校の耐震化を15年度末までに完了させるため前倒しし、老朽校舎改築で25億0800万円の増加、小豆地域県立再編整備推進(通学路整備含む)で校舎棟などの建築工事に着手するなどで12億5400万円増えたことも影響した。特に、浜田恵造知事が重点施策に掲げる人口減少・活力向上対策の拡充に予算全体の4%に相当する184億9600万円を計上。14年度補正予算の10億0600万円と合わせると195億0200万円にのぼる。
 財政運営計画に即した財政健全化に向けた取り組みを行いつつ、「せとうち田園都市香川創造プラン」に掲げる15の重点施策に重点配分。14年度と比べ7事業増えた161の新規事業を盛り込んだ。
 建設関係では「地震・津波対策海岸堤防等整備事業」や「老朽危険空き家除却支援」のほか、道路周辺等に拡大している放置竹林対策として、伐採から植林、保育まで取り組む森林所有者に補助を行う「放置竹林整備推進」事業などを4月からスタートする予定。
 また、今回の予算案は投資的経費を重点化。総額は612億0800万円で前年度より5億6600万円増。このうち補助事業は281億4600万円、対前年比0・8%減。単独事業は273億7700万円、同比3%増、災害復旧事業は56億8500万円で前年同額。現状維持を基本に、東日本大震災等を踏まえた防災・減災対策について早急に実施し、地域経済の活性化や安全・安心の確保に資するものに重点配分した。
 老朽校舎等改築事業に前年度より25億円多い54億1072万7000円を計上。三本松高校、坂出高校の校舎棟改築と校舎等解体。高松東高校、丸亀城西高校の校舎棟改築工事と体育館改築工事等を実施する。高松南高校で校舎棟改築工事と校舎棟解体等を進めるほか、丸亀高校で既存校舎改修と部室解体工事等、多度津高校で水産科棟の建築工事を進める。観音寺第一高校では体育館改築実施設計と既存校舎の改修工事等、観音寺中央高校では工業科棟建築工事等を進める。
 小豆地域県立高校再編整備推進事業では12億0041万円を計上。17年4月の開校に向け、15年度は用地造成工事を継続し新たに校舎棟と体育館建築工事に着手する。また生徒寮の実施設計と建築工事に着手する予定。
 15年度予算の主な新規事業は次の通り。(建設関係、事業費ベース、単位は万円)
【政策課】
 ▽次期総合計画策定(15年度の計画期間が終了する「せとうち田園都市香川創造プラン」次期計画を策定)1800▽移住・定住促進事業(移住促進・空き家改修等補助)(空き家バンクの充実・空き家の有効活用を図るため、空き家の改修・家財の処分等に補助する市町に対し、上乗せ分として補助)5550
【財産経営課】
 ▽県有公共施設等総合管理推進(公共施設等総合管理計画について16年度末をめどに策定。県有建物の計画的な予防保全を通じた長寿命化の取り組みを推進)100▽県庁舎東館耐震改修(防災拠点施設である県庁舎東館について専門家の助言を得ながら基礎免震による耐震改修の基本設計等)7033・9
【危機管理課】
 ▽備蓄物資供給体制整備(大規模災害発生に備えて避難所等への支援物資の供給が迅速で的確に行われるよう体制整備と支援物資供給訓練等を実施)93・1▽市町BCP作成支援等(大規模災害発生時にも行政機能が適切に継続できる体制を定める市町BCP「業務継続計画」の作成を支援)30▽防災情報体制の充実・強化(老朽化した防災行政無線「アナログ衛星可搬局」をデジタル方式の機器に更新・増設するとともに、防災情報システムの利便性を向上させる改修を実施)7455・4▽備蓄物資整備(香川県地震・津波被害想定「南海トラフ地震・最大クラス」を踏まえた避難生活等に必要な物資の備蓄を行う)7042・8▽消防防災無線改修(消防庁と県を結ぶ非常用通信回線「消防防災無線」のデジタル化に伴い機器を改修)2500▽防災ヘリコプター消防救急無線デジタル化整備(防災ヘリコプター「オリーブU」に搭載している消防救急無線をデジタル式の機器に更新)1億2972
【環境管理課】
 ▽大気汚染常時監視測定局適正配置(7月の大気汚染常時監視システムの更新に合わせ、常時監視体制を再構築。測定局の移転と適正配置、測定機器のデジタル化対応等)676・1▽第2次香川県海岸漂着物対策等推進計画策定(海岸漂着物処理推進法に基づき、総合的な海ごみ対策を推進するため計画策定)300
【みどり整備課】
 ▽放置竹林整備推進(道路周辺等に拡大している放置竹林対策として伐採から保育まで取り組む森林所有者を補助)2000▽みどりの基本計画策定60▽森林管理道調査(森林管理道琴南財田線4−2号線の測量調査)500
【みどり保全課】
 ▽瀬戸内海国立公園魅力向上(公園利用施設の国際化対応・老朽化対策のための整備の集中推進と魅力を紹介するソフト事業の実施)6800
【廃棄物対策課】
 ▽災害廃棄物処理対策(南海トラフ地震等を想定した、より実効性のある香川県災害廃棄物処理計画「仮称」を策定し市町計画の策定を支援)1620
【障害福祉課】
 ▽川部みどり園施設設備改修等(施設の老朽化や利用者の高齢化などのニーズに対応するための施設改修等)7668・7
【医務国保課】
 ▽産科医療機関設備整備(安心して出産できる環境を整備するため小豆島の新病院が行う保育器の整備を支援)892・1▽医学的リハビリテーション施設設備整備(高度専門化する医療ニーズに対応するため、医療機関が行うリハビリテーション設備整備に対し支援)360
【経営支援課】
 ▽中小企業BCP策定運用支援(災害などによる事業資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続や早期復旧ができるよう、BCPの策定および運用を支援)300
【観光交流局】
 ▽情報発信拠点整備(県内最大の観光地である琴平で、観光情報発信拠点を整備し運営)900▽県立公園施設長寿命化計画策定2321・6
【農政課】
 ▽農業・農村基本計画策定(新たな香川県農業・農村基本計画の策定)98・8【農業経営課】
 ▽果樹・オリーブ研究所施設整備(老朽化した府中果樹研究所、小豆オリーブ研究所の改築等)2163・3▽農業大学校保冷庫整備(選果貯蔵施設生産出荷資材置き場の保冷庫の更新)150
【農業生産流通課】
 ▽野菜産地競争力強化条件整備(必要な共同利用機械・施設の整備に対し支援)1億2000
【畜産課】
 ▽家畜保健衛生所施設緊急整備(豚流行性下痢「PED」対策に必要な検査機器を導入・更新)1000
【土地改良課】
 ▽香川用水記念会館移転整備(老朽化が進み、耐震性が確保されていない香川用水記念会館について移転先用地の取得や建築工事の実施設計等)1億0096・3
【農村整備課】
 ▽農業集落排水(離島分)(既存農業集落排水施設の改築を行う市町に対し支援)2600
【水産課】
 ▽水産基本計画策定(新たな香川水産基本計画の作成)66・2▽種苗生産技術高度化対策(キジハタの種苗生産の安定化を図るため、閉鎖循環飼育設備を整備)685
【港湾課、河川砂防課】
 ▽地震・津波対策海岸堤防等整備(南海トラフを震源とする地震の被害想定を踏まえ、「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、「発生頻度は比較的高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらすL1津波」に対する「津波対策」と、L1津波を引き起こす地震に対する「地震対策」を計画的に実施)31億1213
【都市計画課】
 ▽高松広域都市圏都市交通マスタープランフォローアップ(都市交通マスタープランに位置付けた個別施策の実施状況を把握。集約型都市構造への転換の進捗状況をチェックし施策を推進)30
【住宅課】
 ▽老朽危険度空き家除却支援(老朽化し危険な空き家の除却を促進するため、当該空き家の除却に補助金を交付するなどの対策を実施する市町に対し補助を行う)1600
【警察本部会計課】
 ▽三豊警察署整備(老朽化し狭い三豊警察署の建て替え「移転整備」のため、基本設計と用地調査等を実施)1653・1
【教育委員会保健体育課】
 ▽都市公園スポーツ施設長寿命化計画策定(計画的な修繕・改修を実施するための長寿命化計画を策定)4000▽中核的体育館整備検討(中核的な機能を果たす体育館の整備に向けた検討)150