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建通新聞社(神奈川)
2015/02/16

【神奈川】神奈川県内広域水道企業団など5者 広域水質管理センターで一元化

 神奈川県、神奈川広域水道企業団、横浜市、川崎市、横須賀市−の5事業者は、共同で水質関連業務の拠点となる「水質管理センター」を設置することを協議している。2015年4月1日の業務開始をめどに調整中。拠点となる機能は企業団の社家取水管理事務所に置き、(仮称)広域水質管理センターとする予定。加えて、サテライト機能を2カ所設置する計画。
 (仮称)広域水質管理センターは、企業団以外の4事業者が個別に行ってきた水源の水質検査などの業務を集約して実施する。5事業者に共通する水源は、主なもので、相模川水系の相模湖、津久井湖、宮ケ瀬湖、相模川本川・支川(中津川など)。酒匂川水系では、丹沢湖、酒匂川本川・支川(狩川)などがある。
 水源水質の課題として、相模湖などでの藻(も)類繁殖によるかび臭などの臭気発生、油や化学物質の流出事故などによる水源汚染のリスク、ゲリラ豪雨など自然災害他に起因する濁度上昇−などがある。
 (仮称)広域水質管理センターでは、水質の検査を一元化。5事業者に共通する水源について、定期的な水質検査を実施し、水質検査結果の共有化や検査の公立化を進める。また、水源に関係する水質事故が発生した際に、現調査などの初動対応を一元的に実施し、迅速な事故対応を図る。
 実施主体は神奈川県内広域水道企業団。他の4事業者は業務を企業団に委託する。
 (仮称)広域水質管理センターのほか、水質事故時の迅速な対応を図るために、相模原上流域は県企業庁谷ケ原浄水場が、酒匂川流域は企業団飯泉取水管理事務所がサテライト機能を担う。企業団以外の4事業者は職員を派遣するとともに、緊急時には必要な応援協力を行う。
 一元化の効果は、「水質検査地点の集約化」として、5事業者合わせて年間延べ510カ所の検査地点を約300カ所に集約。「水質事故対応の強化」として、短時間での現場到着と迅速な対応。「水源水質の共通課題への取り組み強化」として、5事業者の連携強化。「人材育成」として、幅広い業務経験やノウハウの提供し合い−などを挙げる。
 今後、詳細を協議し、業務開始までに5事業者間で運営に関する協定などを結ぶ。