日刊建設工業新聞
2015/02/12
【鳥取】県公共事業評価委/全7事業計画を「妥当」と答申
県公共事業評価委員会(会長・小林一鳥取大学農学部教授、委員10人)は10日、県から諮問されていた7事業の計画を「妥当」と判断し、林昭男副知事に答申した。
県は昨年9月、2014年度の評価対象として国道181号(佐川−根雨原工区)など事前評価4事業と、国道313号倉吉道路など再評価3事業を諮問。評価委はこれまで現地調査を含めて計6回にわたり、ルート案や費用便益(B/C)など計画の妥当性を審議してきた。
このうち事前評価の国道180号(福長−菅沢工区)バイパスは費用便益比が1・0に足りなかったものの、緊急搬送による人命救助の観点など便益を拡張して評価した。便益の低さについて、評価委は「交通量が少ない中山間地といった条件不利地であることが大きな要因」と分析。その上で「今後、条件不利地の道路整備を行うには、県の整備方針を明確にし、県民に提示することが必要」と付帯意見をつけた。
また、名和2期地区畑地帯総合事業では「耕作放棄地が見受けられ、農業振興にいっそう力を入れてほしい」と指摘した。
平井伸治知事の代理で答申書を受け取った林副知事は「拡張便益を評価してもらったことはありがたい」と謝辞。続けて「地域には住んでおられる県民がいて、どう公共サービスを確保するのか県民に説明できるようにしたい。耕作放棄の解消策にもしっかり取り組む」と述べた。
答申した評価対象事業は次の通り。
※事前評価
▽3・4・32号両三柳中央線(県道東福原樋口線)バイパス=米子市=延長2400b。事業期間14〜21年度、事業費29億8000万円。
▽国道181号(佐川−根雨原工区)バイパス=江府町〜伯耆町=延長1550b。事業期間15〜23年度、事業費38億円。
▽国道180号(福長−菅沢工区)バイパス=日野町〜日南町=延長2220b。事業期間15〜28年度、事業費58億9000万円。
▽境漁港特定漁港漁場整備事業=境港市=岸壁、泊地しゅんせつなど。事業期間14〜23年度、事業費120億円。
※再評価
▽国道313号(倉吉道路)バイパス=倉吉市=延長4050b。事業期間05〜20年度、事業費125億円。残事業費8億1600万円。
▽国道313号(倉吉関金道路)バイパス=倉吉市=延長7010b。事業期間11〜23年度、事業費166億6000万円。残事業費157億1100万円。
▽県営畑地帯総合事業(名和2期地区)=大山町=畑かん138f、旧畑かん撤去。事業期間09〜17年度、事業費12億7700万円。残事業費5億9600万円。